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夫がうつ病になってしまったら。 気をつけるべき食生活と接し方

いつも元気に会社に出社し、休日は家族で出かけたり、子供と遊んだりしていたのに、ある日突然うつ病と診断された夫。

食欲も減り、毎日のように布団でうずくまり、「死にたい・・・」「もう何もかも嫌になった」と呟き続ける。

精神薬を服用しても一向に良くならず、八方塞がりの状況で、せめて食事からうつを治せないかと色情報収集しているうちに、このページにたどり着いたのではないでしょうか。

実は、うつ病は心の病と言われている以外にも、食事などの生活習慣によっても発症します。

今回は、夫がうつ病になってしまったときの接し方と、うつの原因、うつを改善させる食事について詳しく解説します。

目次

夫のうつ病、まずはそっとしておくべき

ある日突然夫がうつ病になり、仕事を休んで収入が途絶えてしまうと、これからの生活に不安がつきまといますよね。

家族としては一日でもいいから早くうつ病を治して、以前のように働きに出て貰いたいというのが本音です。

ただ、辛くて動けない夫に対して、とにかく早く治そうとして無理に食事をさせたり、怠けていると叱咤することは絶対にしないで下さい。

このままではダメだということは、男性である夫自身が一番よく分かっています。

口には出しませんが、働かないと収入が無いし、家族も路頭に迷ってしまう。それだけは避けたいと心の底から思っています。

でも、うつで辛くて動けないのです。

夫がうつ病になってしまったなら、その原因は仕事や人間関係で大きな失敗やストレスがかかった可能性が高く、その傷が癒えるまではかなりの時間を要します。

しかも、今の時代は一度失業したり、信頼を失ったりしてしまうと、次の仕事は簡単に見つかりません。そのような退路の無い状況で、旦那さんは必死に戦ってきたのです。

それこそ、血のにじむような努力や、血反吐を吐くほど辛い状況にも耐え、家族のために頑張ってきました。

ですので、働けなくなった事を責めたり、早く治そうと口うるさく言うのではなく、今まで働いてくれていたことに感謝の言葉をかけてあげて下さい。

この次の項目では、病院の検査や食事療法も紹介していますが、急性期に無理して行う必要はありません。まずはそっとしておき、十分に休ませてあげて下さい。

うつ病の原因はさまざま。病院で検査を受けることも必要

うつ病の原因は、セロトニンの分泌が減ってしまう脳の病気と言われていたり、過大なストレスが原因の心の病気と言われていたりします。

このような原因は、あくまで諸説あるうちの一つに過ぎず、実際には内分泌疾患や栄養欠乏など、様々な原因でうつ病が発症する事があります。

もし、会社をリストラされたり、人間関係やお金の問題などで大きなストレスがかかったりしていないにも関わらず、うつ病にかかってしまったなら、内分泌疾患や栄養欠乏などが無いかを病院で調べて貰いましょう。

例えば、男性がうつ病になる原因として、以下のような内分泌疾患や栄養欠乏があります。

  • 質的な栄養失調
  • ストレスによる腸内環境の悪化
  • アレルギーによるタンパク質合成障害
  • 鉄分不足(一部の男性のみ)
  • 薬の副作用
  • ピロリ菌の感染
  • 腸カンジダの感染
  • 糖質の取り過ぎ(糖尿病、血糖調節障害)
  • 腸の不調
  • 脳の慢性炎症
  • ホルモン障害(男性更年期障害)
  • アジソン病、クッシング症候群、ストレスによる副腎疲労
  • 認知症(アルツハイマー)

このような疾患や栄養欠乏があると、脳の神経伝達物質の分泌量が減ってしまったり、ホルモンバランスが乱れて自律神経が乱れたりして、うつ病のような症状が現れます。

このような原因でうつ症状が引き起こされている場合は、抗うつ薬などの精神薬は効きませんので、早めに元となっている症状の治療をするようにして下さい。

夫のうつを治すにはどんな食事を作ってあげれば良い?

うつ病は心の病として当人だけの問題と思われがちですが、その他にも栄養欠乏や質的栄養失調などの食生活や生活習慣による理由で発症することがあります。

仕事で疲れて帰宅する夫にいつも温かい食事を提供している妻の身としては、食事の面からうつ病を何とかしてあげたいと思いますよね。

ここでは、うつ病を引き起こす恐れのある食事に加え、分子整合栄養医学に基づくうつぬき食事術をご紹介します。

炭水化物、甘い物は控えめに

うつ病の原因は脳の神経伝達物質の一つである「セロトニン不足」などとも言われていますが、この脳の神経伝達物質の分泌と炭水化物や甘い物の摂取には深い関係があります。

私達の体では、炭水化物やスイーツなどの甘い物を食べると、それをエネルギーとして使うために血液中に溶け込み、全身に運ばれます。これを血糖値といいます。

この時、使い切れなかった糖分は、インスリンというホルモンの働きで脂肪に変換して貯えるのですが、あまりにも血糖値が高くなると、そのぶんだけインスリンを大量に分泌しなくてはなりません。

このインスリンは、脳の神経伝達物質とほとんど同じ栄養素で作られており、甘い物や炭水化物を摂れば摂るほど、セロトニンを作るはずの材料がインスリンの材料として使われてしまいます。

すると、心の安定に必要なセロトニンなど、脳の神経伝達物質の分泌量が減り、うつ症状などが引き起こされてしまうのです。

また、インスリンが大量に分泌されてしまうと、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまう「低血糖」状態に陥ってしまいます。

低血糖は意識障害を引き起こすなど、死に直結する深刻な事態ですので、体は防御反応として血糖値を上げるホルモンを分泌します。

この血糖値を上げるホルモンには、イライラしたり冷や汗をかくなど、興奮作用があるので、ますます心身のバランスが乱れてしまいます。

このように、炭水化物や甘い物は心身の健康を害しますので、極力控えるようにしましょう。特に、精製した小麦製品や白米、砂糖は御法度です。

主食は精製されていない物を選ぶ

このような血糖値の乱高下のことを、血糖コントロール障害と言いますが、食べ物によって血糖値の波を穏やかにする事が出来ます。

それが、精製されていない小麦や玄米を食べることです。

精製されている白米や小麦などは、そのほとんどがデンプン質であり、炭水化物です。砂糖のように甘くないですが、食べると体内でブドウ糖に変換されます。

白米など精製された物は、ブドウ糖に変換される速度が未精製の玄米などと比べて圧倒的に早く、急激な血糖値の上昇を招いてしまうのです。

ですので、主食として米やパンなどを食べている場合は、精製していない玄米やふすまパンなどに変えましょう。

ラーメンやパスタ、うどんなどは、大豆が使われている低糖質麺にすることで糖質を抑えることが出来ます。

他にも、煮物などで砂糖を使っているなら、血糖値に影響を与えない「ラカント」に変えるなどしましょう。

見直すべき炭水化物、糖質

  • 白米を玄米や雑穀米に変える
  • 食パンや菓子パンを、胚芽パンやふすまパンなどの精製されていない物に変える
  • ラーメンやうどん、パスタなどの麺類は低糖質麺に変える
  • 砂糖は血糖値に影響を与えない「ラカント」に変える
  • ジャガイモや人参、サツマイモなども炭水化物。なるべく控える
  • お菓子やジュースは御法度。うつが良くなるまでは極力控える

食べる順番にも気をつけて!

精製されていない米や小麦は、確かに血糖値の急上昇を抑えてくれますが、食事の一番最初に食べてしまうと、やはり血糖値の急上昇を引き起こす可能性があります。

ですので、玄米や胚芽パンなど、主食は一番最後に食べるようにしましょう。

まずは、サラダなどの食物繊維やスープなどを食べ、次にメインとなるおかずを食べます。そして、最後に玄米やパンなどの主食を食べるようにすることで、 血糖値の急上昇を抑えることが出来ます。

旦那さんが米から食べるクセがある場合は、是非このような順番になるように食事の配膳をしてみて下さい。いっぺんに食卓に出さず、ホテルのディナーのように一品ずつ出すのがオススメです。

このような毎日の心がけ一つで、血糖コントロール障害やうつ症状はだいぶ改善出来ます。旦那さんのうつを治すためにも、愛情込めて続けてみて下さい。

タンパク質はたっぷりで

あまり知られていませんが、脳の神経伝達物質は、タンパク質を分解してできたアミノ酸を元に作られています。

肉を食べると太るとか、動脈硬化やガンなどになるなど、不健康を引き起こす原因と思われがちですが、実際にはそんなことはありません。タンパク質は、私達の体には無くてはならない栄養素です。

タンパク質が不足すると、脳の神経伝達物質の分泌が減ってしまったり、爪が割れたり、髪の毛が抜けたりと、様々な不調が現れます。

また、筋肉が減ってしまうことで、関節痛を引き起こしたり、ホルモンバランスが乱れて男性更年期障害を発症したりする原因にもなります。

このようなタンパク質不足が、うつ症状や原因不明の不定愁訴(ふていしゅうそ)に繋がってしまうのです。ですので、肉や魚などのタンパク質は多めに摂取するようにしましょう。

タンパク質は、牛肉や豚肉、鶏肉などの肉類と、大豆や卵、魚などから摂取する事が出来ます。毎日一品は、肉料理や魚料理などを作るようにして下さい。

うつヌケにオススメのタンパク源

オススメは、牛モモ肉のステーキやレバー、マグロやカツオなどの刺身です。これらには、ビタミンB群や鉄、亜鉛などのミネラルが多く含まれています。

タンパク質を分解したアミノ酸から、各種脳の神経伝達物質やホルモンなどに合成する際には、アミノ酸に加えてビタミンB群やミネラルが必要です。

タンパク質を摂取するときは、これらの栄養素が含まれている物を選ぶようにしましょう。

オススメのメニュー

  • 牛モモ肉のステーキ
  • レバニラ炒め
  • マグロの赤身、カツオの赤身を刺身で
  • ゆで卵、卵焼きなど(卵は一日に何個食べてもOK)
  • 赤身の豚肉をつかったトンカツ
  • 焼き鳥、チキンステーキ
  • もつ鍋、ホルモン焼
  • サンマ、アジ、サバの刺身、焼いた物
  • 豆腐、おからのサラダ
  • 卵を使った茶碗蒸し
  • 納豆

野菜と発酵食品で腸活も効果的

うつ病は脳の病気と思われがちですが、腸内環境も関係しています。腸内環境が悪くなると、それが脳にも影響し、うつ症状やイライラなど、様々な不調を引き起こしてしまうのです。

このような脳と腸の関係を、「脳腸相間」と言います。

例えば、大勢の前に立って緊張すると胃が痛くなったり、お腹が痛くなったりしますよね。これは脳から受けたストレスが腸にも影響しているのですが、逆に胃の痛みやお腹の痛みが脳にも影響し、ストレスを与えてしまいます。

ですので、脳の状態を整えたいときは、腸の状態も整えなければならないのです。

腸の健康状態は、腸内細菌の状態でほとんど決まってしまいます。いい菌が多ければ腸が健康になり、悪い菌が多ければ便秘や下痢になって腸の状態が悪くなります。つまり、腸の健康を整えたいときは、いい菌を取り入れることがオススメです。

腸内細菌と言えばビフィズス菌や乳酸菌が含まれているヨーグルトを思い浮かべますが、ヨーグルトは余りオススメできません。

ヨーグルトに含まれている動物性の乳酸菌は、人間が快適な環境で培養しているので、胃酸や胆汁酸に弱く、腸に届く前に死んでしまうからです。

逆に、ぬか漬けや野沢菜、キムチなどの発酵食品に含まれている植物性の乳酸菌は、低温や雑菌が繁殖する厳しい環境下で繁殖します。

日夜悪い菌と戦って生存競争を繰り広げているので、胃酸や胆汁酸に強く、腸にも生きて届くのです。

なので、腸の状態を整えるときは植物性の乳酸菌を摂ることがオススメです。植物性の乳酸菌は味噌やキムチなどに含まれていますが、スーパーで売っている物は発酵を止めるために殺菌されている物がほとんどです。

このような食品からは良質な乳酸菌が摂取出来ないので、ぬか漬けなどを自家製で作るようにしましょう。

出来る人は、味噌やキムチ、野沢菜などを自家製で作って頂いても構いません。是非、毎日の食品に一品、必ず発酵食品を取り入れましょう。

うつヌケにオススメの発酵食品

  • ぬか漬け
  • 味噌(加熱していない物)
  • キムチ
  • 野沢菜

乳酸菌やビフィズス菌の他にも、これらいい菌の餌になる食物繊維も重要です。発酵食品に加えて、次のような食物繊維も多く摂るようにしましょう。

発酵食品と食物繊維はセットで食べる!

  • ゴボウサラダ
  • レタス、キャベツのサラダ
  • ワカメなどの海藻サラダ
  • おしゃぶり昆布
  • ポップコーン
  • 寒天
  • ところてん
  • キノコ類

牡蠣鍋で亜鉛の補給を

男性の場合、亜鉛は最も不足しがちな栄養素です。亜鉛が不足すると、インスリンの効きが悪くなって血糖コントロール障害が起きたり、脳の神経伝達物質の分泌が悪くなってうつ症状を引き起こします。

また、テストステロンの分泌が急激に低下する「男性更年期障害」はうつの1つの原因とされており、性欲減退や精子の量が減っているなどの症状が見られたら、男性更年期障害を疑ってみて下さい。

亜鉛は、テストステロンを維持するのに必要な栄養素で、亜鉛不足は男性更年期障害の主な原因になります。

前述した牛のモモ肉など、赤身の肉にも亜鉛が含まれていますが、その含有量は多くありません。十分に補給するためには、もっと多く含まれている食品を食べる必要があります。

そこでオススメなのが、亜鉛が多く含まれている牡蠣です。

牡蠣は「海のミルク」とも言われるように、豊富なタンパク質やビタミン、ミネラルが含まれています。その代表が、亜鉛です。

亜鉛をサプリメントで摂取するという手もありますが、亜鉛を有効利用するためにはタンパク質が必要です。タンパク質やビタミン、ミネラルがバランス良く含まれている牡蠣は、男性の健康を保つ上でまさにうってつけでしょう。

牡蠣を食べることが目的なので、生牡蠣でも牡蠣フライでも構いませんが、手軽に出来て食物繊維などの野菜やキノコ類も同時に食べられる鍋がオススメです。

鍋であれば、食材を切って煮るだけなので手間がかかりません。また、好きな量、好きな物だけ食べられるので、うつで食欲の無い夫でも無理せず食べることが出来ます。

現在では鍋つゆも様々な種類が販売されており、キムチ鍋や豆乳鍋など色々な種類があります。ローテーションして食べれば飽きがくることも少ないと思いますので、ぜひ色々試してみて下さい。

夫がうつ病になったら? 気をつけるべき食生活と接し方まとめ

以上が、夫がうつ病になってしまったら、気をつけるべき食生活と接し方でした。

ここまでの流れをまとめると・・・

  • 夫がうつ病になった直後は、無理に接しない
  • 精神的ショックは、癒えるまでに時間がかかる
  • 食欲が無い時は、無理して食べさせない
  • 話を聴いて理解を示してあげるだけでも、かなりの効果がある
  • うつ病には、ストレス以外にも内分泌疾患や栄養欠乏が関係している場合がある
  • 血液検査で、内分泌疾患や栄養欠乏が無いかを調べて貰う
  • 甘い物や炭水化物は血糖の乱高下を招くので控える
  • 脳の神経伝達物質はタンパク質が材料
  • 腸内環境もうつと深い関係がある
  • 善玉菌の餌になる食物繊維も沢山摂ろう
  • 男性は亜鉛が不足しがち。牡蠣鍋で補給しよう

という感じです。

夫がうつ病になってしまうと、仕事を失ったり、収入が無くなったりして生活が大変になります。

妻の身としては、一日でも早くうつ病を治して働いて貰いたいところですが、完治するまでには時間と家族の協力が欠かせません。

焦らずじっくりと、出来るところから少しずつ始めて行きましょう。

食事の改善は、メンタルと関係ないように思えますが、ストレスをコントロールしているコルチゾールなどのホルモンは、私達が食べた食べ物で出来ています。

いい加減な物を食べていれば、そのぶんだけストレス耐性が下がり、ささいな事でもイライラしたり落ち込んだりと、メンタルに大きな影響を与えてしまいます。

順調に仕事に復帰して貰うためにも、毎日しっかりとした食事を作って、体の栄養バランスを整えていきましょう。

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