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肉が多めの食事でうつ病は治る? タンパク質とうつ病の関係を分子整合栄養医学の観点から徹底解説!

うつ病は心の風邪とも呼ばれ、100人中15人の割合で発症すると言われています。

うつ病になると働けなくなったり、収入や地位を失ったり、最悪の場合は離婚問題に発展したりと、人生において破滅的な影響を与える恐ろしい病気です。

このうつ病は、心の病気や脳の病気と言われていますが、食生活や食べ物を変えるだけで改善する可能性はあるのでしょうか?

最近では、「うつけしごはん」などの書籍によって、うつには肉などのタンパク質が良いということが一般にも認知されるようになってきています。

今回は、肉を食べることによって、うつ症状にどのような影響があるのか? や、太ったりコレステロールがあがって死亡リスクが上がらないかなど、肉を食べることによって体内でどんな影響があるのかについてを詳しく解説します。

目次

肉やタンパク質はうつ病と関係がある?

うつ病は、「心の風邪」「脳の病気」と言われていたり、「セロトニンの分泌不足」などとも言われていますよね。

セロトニンは脳の神経伝達物質の一種で、分泌されると幸福感を感じることから、「幸せホルモン」などとも言われています。

このセロトニンは、「トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸から合成出来るため、一部ではトリプトファンが多く含まれているバナナや牛乳の摂取を推奨している記事もあります。

また、セロトニン以外にも、やる気を出す作用があるドーパミンや、気分を落ち着ける作用があるGABA(ギャバ)など、様々な脳の神経伝達物質がうつ病と深い関係がある事が分かっています。

これらセロトニンやドーパミン、GABA等は、チロシンやトリプトファン、フェニルアラニンと呼ばれる必須アミノ酸から合成され、これらは体内では合成出来ないために食事から摂取することが欠かせません。

実は、これらアミノ酸がまんべんなく含まれているものが、肉や卵などのタンパク質なのです。つまり、タンパク質は脳の神経伝達物質の材料になるため、うつ病には良いと言えるのです。

例えば、昭和女子大学 生活科学部の教授らが行った研究では、うつ病とタンパク質の関係について次のように解説しています。

タンパク質と脳の栄養〜うつ病とタンパク摂取〜

タンパク質は、炭水化物、脂質とともに三大栄養素と呼ばれ、身体をつくる役割も果たしている。タンパク質の機能は多岐にわたるが、皮膚や腱などを構成するコラーゲンのような構造タンパクと細胞の生存のために必要な機能を担う機能性のタンパク質に分類される。脳の栄養にはブドウ糖が最も重要とされていたが、タンパク質摂取も脳機能に決定的な影響を与えていることが分かったのは最近である。

 

1960年代に南米のグアテマラ共和国で、 サプリメントとしてタンパク質を十分に与え た場合に成長にどのような結果をもたらすかが研究された。するとサプリメントを与えられた子供たちは身長が1~2センチメートル高かっただけでなく、認知機能も向上していることが分かったのである。 重要なのは、このようなタンパク質のサプリメントを与えられた子供たちは思春期になって就学の機会が多くなり、さらに男子の場合には収入も増していたことである。

 

これらの発見はMRI(磁気共鳴テスト)における脳波の測定でも確かめられている。つまり、タンパク質は脳の健常な発達に不可欠なのである。このように脳についてもタンパク質が多くの機能を担っており、特徴的なことはタンパク質の構成成分であるアミノ酸が神経の情報伝達に重要な役割をしているということである。

https://www.alic.go.jp/content/000141085.pdf

このように、脳機能とタンパク質には密接な関係があり、十分なタンパク質を摂取することで学力や認知機能、はたまた収入まで増加するという研究結果が出ています。

つまり、うつ病には肉や卵などのタンパク質を摂取することが、うつヌケするための最大の鍵であると言えるのです。

では、肉などのタンパク質を摂取すれば、うつヌケできるのでしょうか?

実は、そんな単純な話ではありません。タンパク質を脳の神経伝達物質に変えるには、様々なビタミンやミネラルの力を借りなければならないからです。

脳の神経伝達物質とタンパク質の関係

ここからは少し難しいですが、タンパク質がどのようにして脳の神経伝達物質に変わるのかを詳しく解説していきます。

まず、タンパク質を摂取すると、体内で様々なアミノ酸に分解されます。脳神経伝達物質で重要なのは、「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸です。

このアミノ酸は、ビタミンやミネラルを元に、神経伝達物質である「ドーパミン」「セロトニン」「GABA」に分解され、消費されていきます。

この説明だけだとわかりにくいと思いますので、図を使って説明しましょう。次の図は、タンパク質から脳の神経伝達物質に合成されるまでの過程を表した物です。

 

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/protein/

摂取したタンパク質は、胃酸によって分解され、様々なアミノ酸になります。そして、その中でもL-グルタミンやL-フェニルアラニン、L-トリプトファンが、様々なビタミンやミネラルの力を借りて脳の神経伝達物質に変わっていますね。

例えば、L-トリプトファンからセロトニンに合成されるまでには、葉酸や鉄(Fe)ナイアシン、ビタミンB6などのビタミンやミネラルが必要です。

ですので、脳の神経伝達物質を円滑に分泌させるためには、タンパク質を単に摂取するだけでなく、これらビタミンミネラルも同時に摂取しなければなりません。

これら脳の神経伝達物質の合成に必要なビタミンやミネラルが足りなくなってしまうと、いくらトリプトファンなどのアミノ酸があっても、脳の神経伝達物質に合成することが出来ないからです。

そして、このようなビタミンやミネラルの不足によっても、うつ症状やパニック症状が現れる原因になりえます。

例えば、図の左側にあるL-グルタミン酸からGABAへ合成するまでの過程を見てみて下さい。

グルタミン酸は興奮系の神経伝達物質として働きますが、分泌量が多くなるとビタミンB6等を利用して抑制系のGABAへと変換されます。

こうやって脳内の神経伝達物質はバランスを取っているのですが、ビタミンB6が足りないと上手く変換できなくなり、バランスが崩れてしまいます。これが自律神経が乱れる原因となり、しいてはうつ症状がおこるのです。

自律神経を整えるには、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質の摂取と、十分なビタミン、ミネラルの摂取が非常に重要です。

うつの原因とされる質的栄養失調とは?

このような、タンパク質不足が原因でうつ症状が発症してしまう主な原因が、食生活悪化による「質的な栄養失調」です。

質的栄養失調とは、お腹いっぱいに食べていても、脳の神経伝達物質の合成や分泌に必要な栄養素が足りなくなってしまう新型栄養失調のことです。

新型栄養失調には大きく分けて2パターンあり、パンや白米、うどんやラーメンなどの炭水化物に偏った食生活をしている場合と、健康に気を遣う余り、野菜中心のヘルシーな食事内容に偏りすぎてしまってるパターンです。

ヘルシーな食事の場合は一見すると健康的に見えますが、主に肉や油を排除し、野菜や果物を中心に食べますよね。これだと、食物繊維や炭水化物は量多く摂取する事が出来ますが、一部のビタミンやミネラル、そしてタンパク質の摂取量が不足してしまいます。

このようなヘルシーに偏った食生活では、脳の神経伝達物質の合成に必要なタンパク質やビタミン・ミネラルが欠乏し、心の安定に必要なセロトニンやドーパミン等の分泌量が低下してうつ症状が引き起こされてしまうのです。

「でも、私は意識して豆類やお豆腐を沢山食べているから、タンパク質不足は関係ない」

と思われる方もいるかもしれません。

たしかに、ヘルシーな食生活では主に大豆やインゲン豆などの豆類がタンパク源となります。でも、これらの豆類を普段から意識して食べている方は少ないのではないでしょうか。

例えば、大豆であれば一食あたり200gほど食べないと、一般的な成人女性に必要なタンパク質が摂取出来ません。加えて、脳の神経伝達物質合成に必要な補酵素である「ビタミンB群」は、野菜にはほとんど含まれていないため、レバーやウナギなどから補給する必要があります。

ですので、根野菜や葉野菜、果物などが中心のヘルシーな食生活では、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足し、心の安定に必要な脳の神経伝達物質の分泌が低下するのは当然と言えます。

また、パンや白米、ラーメンやうどん、パスタなどの炭水化物に偏ったメニューでも、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質やビタミン・ミネラルが不足します。

このような食生活や質的栄養失調によって、うつ症状は引き起こされていたのです。

女性は鉄不足がうつやパニックの原因に

女性の場合は、タンパク質不足に加えて鉄分不足も深刻です。

鉄は、脳の神経伝達物質の合成に必要な栄養素なので、鉄分が不足することでドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンの合成が滞ってしまい、うつやパニックの原因となるのです。

脳の神経伝達物質を合成するのに必要な栄養素については先ほども解説しましたが、ここでもう一度見てみて下さい。脳の神経伝達物質を合成する初期段階には、必ず鉄(Fe)が必要です。

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/fe/

例えば、L−トリプトファンからセロトニンに合成する際の初期段階である、5−HTPに合成するためには、葉酸と鉄、ナイアシンの力を借りる必要があります。

また、L−フェニルアラニンからドーパミンやノルアドレナリンに合成する際の初期段階にも鉄が必要になっていますね。

このように、脳の神経伝達物質を合成する際には、鉄分が重要な役割を果たしています。この鉄分が足りなくなってしまうと、心の安定に必要なセロトニンや、やる気アップのドーパミンなどの分泌量が低下してしまい、うつやパニックの原因になってしまうのです。

特に、女性は毎月月経があるので、血液と一緒に鉄分やタンパク質が流れ出てしまいます。適切に鉄分を補給していかないと、必ず鉄不足に陥ってしまいます。

また、妊娠や出産を経験すると、赤ちゃんに栄養を持って行かれてしまうので、極度の栄養欠乏に陥ります。産後うつなどは、このような栄養欠乏が1つの原因なのです。

ですので、女性の場合は男性よりも栄養の消費が多いので、普段の食生活や栄養補給は積極的に行う必要があります。

「でも、鉄分と言えばホウレン草やシリアルに多く含まれているから、普段の食事で不足するなんてあり得ないでしょ」

そう思う方も多いかもしれません。

確かに、鉄分は野菜や果物にも多く含まれているので、肉を食べなくても不足することはないと思いがちですよね。

実は、鉄分を体内で有効利用したり体の様々な箇所に運ぶには、タンパク質が欠かせません。このタンパク質が足りないと、鉄とタンパク質が結びつかず、そのまま体外へ排泄されてしまうからです。

例えば、貧血の指標として「ヘモグロビン」「赤血球」などと言う言葉を聞いたことがあると思います。これらは鉄をタンパク質でコーティングしているため、安全に酸素を運んだり鉄分を貯えたりすることが出来ます。

このように、鉄分を有効利用するためには肉などのタンパク質が非常に重要です。ホウレン草やシリアルなどの食品には確かに鉄分が含まれているものの、肝心なタンパク質が不足しているために、いくら摂取しても知らず知らずのうちに質的栄養失調になってしまうのです。

また、鉄には体内に吸収されやすい鉄と、吸収されにくい鉄があります。

ホウレン草やシリアルに含まれている鉄分は、「非ヘム鉄」と言って吸収されにくい鉄分になります。このような鉄分では吸収率が悪いので、タンパク質と一緒に摂取していても鉄不足に陥ってしまう可能性があります。

逆に、レバーや赤身肉に多く含まれている「ヘム鉄」はそのままの状態で吸収出来るため、非ヘム鉄よりも吸収率が良いという特徴があります。

女性の場合は、毎月月経によって鉄分とタンパク質が流れ出てしまうため、鉄分やタンパク質はこのような動物性食品から摂取することが望ましいと言えるでしょう。

なぜ、同じヘムという言葉が付くのに、吸収率に大きな差が出るのでしょうか。次では、ヘム鉄と非ヘム鉄の違いを詳しく解説します。

鉄分の種類、ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

鉄分には、動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄があります。

レバーなどに含まれているのはヘム鉄で、吸収が良いという特徴があります。また、ほうれん草などに含まれているのは非ヘム鉄で、吸収率が悪いという特徴があります。

まずは、このヘム鉄と非ヘム鉄の違いと、吸収率を理解しておきましょう。

ヘム鉄

ヘム鉄は、動物性由来の鉄分です。吸収されにくい鉄をタンパク質でコーティングすることにより、非ヘム鉄よりも吸収率が高くなっているのが特徴です。

ヘム鉄の特徴

非ヘム鉄

非ヘム鉄は、何もコーティングされていない鉄そのものです。ほうれん草などの植物に多く含まれています。
貧血と診断された場合の鉄剤も、この非ヘム鉄が処方されます。
他の鉄にくらべ、吸収率が著しく悪く、胃の不快感や吐き気などの症状が出やすいのが特徴です。

非ヘム鉄の特徴

ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率の違い

ヘム鉄と非ヘム鉄は、同じヘムという言葉が使われているのに、なぜ吸収率に差が出るのでしょうか。
この違いを、図を使って詳しく説明します。

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/fe/

上図は、非ヘム鉄とヘム鉄の吸収の違いを表したものです。
ヘム鉄は、そのまま吸収されるのに対し、非ヘム鉄は一度変換されてから吸収されています。
このため、非ヘム鉄のほとんどが吸収されずに体外へ排泄されてしまいます。

腸は、二価(Fr++)の鉄しか吸収することが出来ません。ですので、二価の鉄で存在するヘム鉄はそのまま吸収することが出来るのです。

逆に、非ヘム鉄は三価(Fe+++)の状態で安定しています。この三価の鉄はそのままでは吸収出来ないので、一度二価(Fe++)に変換して吸収します。

また、三価である非ヘム鉄はお茶などに含まれる苦み成分「タンニン」の影響を受けやすく、タンニンとくっついて「タンニン鉄」に変わってしまいます。
このタンニン鉄は吸収されないまま体外へ排泄されてしまいます。

このような影響の違いから、非ヘム鉄とヘム鉄は、同じような名前でも、全く吸収率が異なるのです。

鉄分の補給はレバーか赤身肉で!

上述したように、鉄分には大きく分けて2種類あります。

野菜中心の食生活では、吸収率の悪い非ヘム鉄を摂取することになりますので、知らず知らずのうちに鉄欠乏性貧血や鉄不足、タンパク質不足に陥ってしまい、うつ症状やパニック症状を引き起こしかねません。

ですので、鉄分の補給を意識するときは、動物性のヘム鉄を摂取することがオススメです。

ヘム鉄は、レバーや赤身の肉、赤身の魚などに多く含まれています。この他にも、アサリやカキ、シジミなどにも多く含まれています。

ヘム鉄が多く含まれている食品

  • 豚のレバー 100gあたり13mg
  • あさり 40gあたり15.1mg
  • かつおの刺身 100gあたり1.9mg

これらの食べ物を、できるだけ多く毎日摂るようにしましょう。

もし、レバーや赤身肉など、毎日大量に食べられない!というかたは、サプリメントで鉄分を補給するのもアリです。

この場合は、うつに鉄分は本当に効くのか? 分子整合栄養医学の観点から鉄とうつの関係と、オススメサプリを紹介!でサプリメントを紹介していますので、参考にしてみて下さい。

うつ病の改善には、高タンパク・高脂質な食事を!

前述したように、脳の神経伝達物質を合成するには、タンパク質の他に葉酸や鉄、ナイアシンなどのビタミンやミネラルが必要になります。

これらのうち、タンパク質やビタミン、鉄分が大量に含まれているのが「牛肉の赤身」です。赤身の肉は、他にも正常な細胞を作るために必要な亜鉛ビタミンB12を大量に含んでいます。

赤身に含まれている鉄分は、「ヘム鉄」といわれ、吸収されやすい鉄分になります。ですので、鉄分補給には動物性の肉から摂る方が効果的です。

赤身の肉には葉酸ナイアシンなどのビタミンB群が足りないですが、これらが多く含まれている「レバー」を一緒に食べることでバランスが整います。

レバーにもタンパク質や鉄分、ビタミンB群が多く含まれているので、うつヌケやうつの予防に効果的と言えるでしょう。

また、肉には動物性脂肪である飽和脂肪酸が豊富に含まれています。このような脂質は、体を動かすためのエネルギー源になったり、エストロゲンやプロゲステロンなど、女性に必要なホルモンなどの材料になります。

よく、脂質や動物性の脂肪を取り過ぎると太ったり、コレステロール値が上昇して動脈硬化などの病気の元になると言われていますよね。

あなたも健康に気を遣う余り、肉や魚などの油が多い食品を避けてきたのではないでしょうか?

実は、最近になって「動物性食品の取り過ぎは体に悪い」という認識が間違いだったことが分かってきたのです。

コレステロールはあなたのうつを救う

うつ病には肉を食べた方が良いのは分かったけど、コレステロールが気になる・・・という方も多いと思います。

コレステロールが高いと動脈硬化や心筋梗塞などの病気の元になるとされ、コレステロールは下げるようにお医者さんから指導される場合もあります。

しかし、最近の研究によって、コレステロールは「悪ではない」という見方が強まってきました。実際には今まで下げるように気をつけていたコレステロールが不足することでうつ病が発症するとも言われています。

低コレステロールはうつ病を招きやすい

若い女性を対象にした調査から、血清コレステロール値が160mg/q以下の群で「他人に会いたくない」「人前に出たくない」などの感情を点数で示した不安尺度や抑うつ尺度が高い傾向にあることが報告されています。
また、お年寄りでコレステロール値が低い人のほうがうつ状態になりやすいことも知られています。
さらに、コレステロール値と死亡率の関係を調べた欧米の代表的な6つの研究を分析した結果から、コレステロール値が低くなるほど自殺や事故死が増えることがわかりました。
ここでの自殺増加の原因は、うつ病を介してではないかと考えられています。

http://jbeef.jp/daizukan/encyclopaedia/article.html?encyclopaedia_article_id=659

このように、低コレステロールはうつ症状を引き起こすことが分かっています。

加えて、コレステロールはストレス耐性ホルモンに変わったり、女性ホルモンや男性ホルモンの材料として使われています。

うつ病の原因の1つとして、「更年期障害」「PMS」「PMDD」(月経前不快気分症候群)などがあげられていますが、これらの症状は総じてホルモンバランスの乱れによるものです。

ホルモンバランスの乱れを整えるには、これらホルモンの材料となるコレステロールが重要な役割を果たしていたのです。

ホルモンバランスの改善にはコレステロールが重要!

あまり知られていませんが、私達の体にとってコレステロールは非常に重要な役割を果たしています。

例えば、狩りの本能をつかさどり、やる気の元となる「テストステロン」や、女性の若々しさの源となる「エストロゲン」「プロゲステロン」は、コレステロールを原料に作られています。

何かと問題視されているコレステロールですが、血中のコレステロールの4分の3は、おもに肝臓で合成されています。コレステロール値を下げようと肉や卵を控えている方も多いかもしれませんが、肉や卵を控えてもコレステロールが下がるというわけではありません。

これは、タンパク質や脂質以外にも、糖質によってコレステロールが作られるからです。その代謝経路を図にしたものが以下です。

 

私達の体では、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素からアセチルCoAに合成され、主に脳や体を動かすエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)の材料として使われています。

そして、アセチル CoAのもう一つの役割が、コレステロールの原料となることです。このコレステロールは、性ホルモン、ストレスホルモンなどの重要なホルモン合成の出発点となっています。

コレステロールを材料にして作られるホルモンには、ストレス耐性アップや血糖値の維持に不可欠なコルチゾールのほか、テストステロンやプロゲステロンなどの性ホルモンも含まれます。

ホルモンバランスが乱れている女性や男性の多くは、タンパク質や脂質を摂取するとカロリーオーバーで太るという意識があり、肉や魚、脂肪分を避ける食生活をしがちです。

これはむしろ間違いで、美容やダイエット、更年期障害、月経前症候群、ストレス耐性の向上、うつ病にはタンパク質と脂質を多く摂取する方が正解なのです。

ちなみに、アセチルCoAに最も少ない反応で合成できるのが「脂質」です。炭水化物などの糖質は血糖値スパイクやインスリンの分泌面から避けた方が良く、タンパク質はできるだけエネルギー源にならないようにする事が重要です。つまり、エネルギー源はできるだけ脂質から得るようにするのが理想です。

このように、肉に含まれているタンパク質や脂質は、筋肉を作る以外にも、体内のホルモンバランスを整えたり、ストレス耐性を上げたりする重要な栄養素です。

コレステロールは悪者扱いされていますが、分子整合栄養医学の観点から見ると非常に重要な物質である事が分かります。

現代の食生活はパンや白米、ラーメンやうどん、パスタなどの炭水化物に偏っていたり、野菜中心のヘルシーな食事に偏っていたりして、タンパク質や脂質が足りていません。

うつを改善、予防するためにも、積極的に肉を食べるようにしましょう。

太る原因は炭水化物・糖質の取り過ぎ!

肉を食べるのはうつ症状にいいと分かっても、肉に含まれている脂肪やタンパク質によって太らないか心配・・・というかたも多いと思います。

結論から言うと、肥満やメタボリックシンドロームの原因はタンパク質や脂質ではなく、炭水化物などの糖質が原因です。

糖質を摂取すると、「インスリン」という飢餓に備えるためのホルモンを分泌し、脂肪に変えて体内に貯蔵しようとします。これが原因で皮下脂肪が付き、肥満になるのです。

ですので、タンパク質や脂質を多く摂っても、糖質ほど皮下脂肪が増えることはありません。筋肉が付いたり質が改善して体重が増えたりするかもしれませんが、そのぶん基礎代謝が上がります。

筋肉が付くことによって姿勢が良くなり、胸も支えられるのでモデル体型になれます。一説によると、テレビで有名な「叶姉妹」は、一日に800gもの肉を食べるそうです。逆に、スイーツや炭水化物などの糖質はほとんど食べていません。

一流の人が、低糖質食、肉食を心がけて完璧なプロポーションを維持しているのですから、あながち間違っていると否定することは出来ませんよね。

また、筋肉は必要に応じてアミノ酸に分解され、体の様々な機能で利用されます。質の良い筋肉がつけば、そのぶんだけ質の良いアミノ酸の貯蔵量が増える事に繋がり、健康を維持することが出来るのです。

うつでも出来る!タンパク質多めの簡単メニュー

うつ病にはタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルが重要である事が分かったところで、日頃の食事ではどんな食べ物を食べれば良いのかについて例を出しておきます。

本来であれば、鳥や豚、牛や卵など、様々なタンパク質をローテーションして食べることが望ましいのですが、うつ症状がある方は基本的に料理が難しいと思いますので、簡単に食べられる物や調理法でご紹介したいと思います。

まず、最も手軽な物としては赤身の魚を刺身で食べることです。赤身の魚と言ってもカツオとマグロぐらいしかないので、これら魚の赤身を飽きない程度に食べましょう。

カツオやマグロにはタンパク質や鉄分以外にも、脳に必要な栄養素であるDHAやEPAも含まれているので、うつ症状の改善にはオススメの食べ物です。

ほとんどのスーパーでは、刺身が既に切ってある状態で販売されているため、買ってくればすぐに食べられるのが利点です。わざわざ包丁を使う手間がありません。

この他、赤身の肉としては、牛のモモ肉がオススメです。ローストビーフのように調理すると美味しいですが、出来ない場合は塩こしょうでステーキにして食べましょう。なるべく鮮度が良い肉を、レアで食べると鉄分が多く補給できます。

また、レバーもオススメですが、調理の手間があるので中華料理屋でレバニラ炒めを食べるのがいいでしょう。肉以外にも、ゆで卵や温泉卵などもタンパク源としてはオススメです。

このように、高タンパク高脂質の食生活は、ほとんど調理をせずに食べることが可能ですので、うつの人でも簡単に実行できます。是非、参考にしてみて下さいね。

肉が多めの食事でうつ病は治る?まとめ

以上が、肉やタンパク質とうつ症状の関係、タンパク質を多く食べられるメニューの例でした。

ここまでの流れをまとめると・・・

  • タンパク質は脳機能と深い関係がある
  • トリプトファン、フェニルアラニンなどの必須アミノ酸は体内で合成出来ない
  • 脳機能の向上には、タンパク質の摂取が非常に重要
  • アミノ酸から脳の神経伝達物質に合成するには、ビタミンやミネラルが必要
  • 現代の食事は、炭水化物やヘルシーな食事に偏っていて、質的栄養失調になっている
  • 特に、女性の場合は鉄不足が深刻な場合が多い
  • 鉄分は、吸収されやすいヘム鉄と吸収されにくい非ヘム鉄がある
  • 鉄分を摂取したいなら、赤身肉やレバーに含まれているヘム鉄がオススメ
  • 肉に含まれている脂質は重要なエネルギー源
  • コレステロールは重要な栄養素だった!
  • 太る原因は、炭水化物の取り過ぎ
  • うつ症状がある人は、マグロや鰹の刺身、赤身のステーキを食べるのがオススメ

という感じです。

今まで、「肉は健康に悪い」という意識だった方は、かなりショッキングな内容だったのではないでしょうか。

最近では、炭水化物や糖質などが生活習慣病や癌などの万病の元とされ、糖質制限をする方が増えてきました。このような糖質制限に加え、肉や魚なども制限してしまうと確実に質的栄養失調に陥ってしまいます。

質的栄養失調は、脳の神経伝達物質の材料が足りなくなるために、うつ症状やパニック症状を引き起こします。

このように、健康に良いと思って実践してきたことが実は全く逆で、うつ病などの精神疾患になってしまう原因となっていたのです。

ですので、これからはちゃんと肉や魚などのタンパク質も多く食べるようにしましょう。これだけでも、うつ症状はかなり楽になります。

また、赤身の肉や赤身の魚だけに固執せず、鳥や豚肉などもまんべんなく食べるようにして下さい。こうすることで、腸の負担が減り、アレルギー症状が起きにくくなります。

赤身やレバー以外の肉では、ビタミンやミネラルが足りなくなりますが、この場合は野菜やキノコなどから補うか、サプリメントなどで補うようにして下さい。

ビタミンやミネラルが足りないと、いくらタンパク質を摂取しても有効活用することが出来ません。

実際にどのサプリメントを飲んだら良いのかについては、うつ病の改善には何のサプリメント飲むといい? 分子栄養医学の観点からオススメのiHarbサプリを紹介!で詳しく解説していますので参考にして下さい。

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