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うつが辛くて食欲が無い、食べられない、作れない時はどうしたらいい? うつに効く簡単な食事や栄養を解説!

うつ病にかかってしまうと、うつが辛くて食べたくないときもありますよね。また、やる気や食欲が湧かなくなってしまうので、料理を作って食べる事も難しくなってしまいます。

でも、食べないと薬は飲めないし、体にも良くないですよね。うつを治したいと思っている方は、この状況を何とかしたいと思ってこのページにたどり着いたと思います。

そこで今回は、うつが酷くて食べたいけど食べられない、料理が作れないときに、どんな方法を取れば良いのかについてや、火や包丁も使わずに簡単に食べられる、うつに効果的な食事について解説します。

目次

うつ病は食べないと更に悪化する!

うつ病は、脳の病気や心の病気、またはセロトニンの分泌不足などと言われています。一見すると、これらの原因は食事や食べ物とは関係ないように思えますよね。

しかし、脳の神経伝達物質の1つであるセロトニンは、私達が食べた物を元に作られています。ですので、どんなにうつが酷い状態でも、食べないと良くなることはありません。

食べたくないからと食べずにいたり、その状態で薬だけを飲んでしまうと、ますますうつ症状が酷くなってしまうのです。

食事をせずに薬を飲んでいれば、うつは治る?

うつが酷くて寝込んでいる方は、食事を取らずに薬だけ飲んで寝ているという方も多いのではないでしょうか。

実は、うつの治療で最もやってはいけないことが、食事をせずに精神薬などの薬を飲むことです。

抗うつ剤などは、脳の神経伝達物質の濃度を増やしてくれる作用があるので、「とりあえず薬だけ飲んでいれば、何も食べなくてもうつが治る」と思っていませんか?

これは間違いで、そもそも抗うつ剤には脳の神経伝達物質を作り出してくれる作用はありません。あくまで、分泌された脳の神経伝達物質の濃度を上げてくれるだけです。

食事をしなければ脳の神経伝達物質が分泌されないので、いくら抗うつ剤を飲んでも脳の神経伝達物質が増えることはあり得ないのです。

ですので、うつで辛いときほど、きちんとした食事を摂るようにしましょう。

うつ病の主な原因は質的栄養失調

実は、うつ病の原因として最も可能性が高いのが、「質的な栄養失調」です。

質的栄養失調とは、お腹いっぱいに食べていても、脳の神経伝達物質の合成や分泌に必要な栄養素が足りなくなってしまう新型栄養失調のことです。

うつが酷くて食事の用意が出来ないとき、手軽に食べられるパンやカップラーメンなど、炭水化物に偏りがちになりますよね。また、消化に良いとされるおかゆも、炭水化物になります。

このような、炭水化物に偏った食生活では、脳の神経伝達物質の材料になるタンパク質やビタミン、ミネラルが不足し、心の安定に必要なセロトニンや、やる気を出すドーパミンなどが分泌されなくなってしまいます。

このような状態で食欲が無いからと食べないでいると、更に栄養状態が悪化し、ますますうつ症状が悪化してしまうのです。

ですので、うつを治したいのであれば、何とかして栄養を体に送り込まなければなりません。どうしても食事を準備したり食べるのが難しいときは、次のような手段で、体に栄養を送り込んでみて下さい。

どうしても食事が作れない、食べられないときは?

前述したように、うつ病は栄養状態の悪化で酷くなりますので、何とか体に栄養を送り込まなければなりません、

では、うつが辛くて買い物に行けない、食事の準備が出来ない、食べられないときは、どのような方法で体に栄養を送り込めば良いのでしょうか。

特に重度の方は、以下の方法を試してみて下さい。

点滴を受ける

最も手っ取り早く体に栄養を入れることが出来るのが、点滴です。点滴はご存じの通り、注射針を血管に刺して、直接栄養素を静脈に流し込みます。

ですので、食べられない時は、まず点滴を受けることをオススメします。

点滴と言っても、そこらの病院で行っている「ブドウ糖点滴」はほぼ栄養が無いので、受ける意味がありません。

うつで食べられない人が受けるべき点滴は、きちんとビタミンやミネラル、アミノ酸などが添加されている「マイヤーズカクテル点滴」と呼ばれている物です。

マイヤーズカクテル点滴とは、1950年代に米国の医師ジョン・マイヤーズが考案した点滴療法です。

人間に必須の栄養素であるビタミンやミネラルを直接血管内に点滴し、血液中の濃度を急速に上昇させることで、単に栄養補給の効果だけでなく疾病に対する治療効果を期待するものです。

現在では、マイヤーズカクテルは統合医療や自然療法の標準的な治療法の一つとなっています。うつで食べられない場合は、まずこの療法を受けてみましょう。

うつ病以外にも、慢性疲労や生理不順、アレルギーや偏頭痛などの不定愁訴にも効果を発揮します。

このように、マイヤーズカクテル点滴は様々なメリットがありますが、欠点として健康保険が使えません。全額実費負担になりますので、1回当たりの費用が数千円から数万円と高額なのがネックです。

しかも、行っている病院が限られるので、近くの病院でマイヤーズカクテル点滴を行っているかどうかも定かではありません。

都会であれば、近くに対応している病院がある可能性が高いですが、地方では対応している病院がそもそも無い場合もあります。あまり期待はせずに、近くで対応している病院を調べてみてください。

マイヤーズカクテル点滴はうつ病の治療に優れた療法の一つですが、その費用と対応している病院の少なさから、受けられる人はかなり限られてしまうのが欠点と言えるでしょう。

経腸栄養剤を処方して貰う

もし、マイヤーズカクテル点滴の費用が高すぎて無理な場合や、対応している病院が近くに無い場合、注射がどうしても苦手な方は、経腸栄養剤で栄養補給するのも検討してみましょう。

経腸栄養剤とは、体に必要な糖質、タンパク質、脂質、電解質、ビタミンおよび微量元素などを配合した特殊な液体で、直接腸に注入したり、口から補給したりする方法です。

飲み込む筋肉が落ちてしまった高齢者などは、チューブを使って直接腸に注入する場合もありますが、うつ病できちんと飲み込める方は、口から補給するドリンクタイプを飲むのが一般的です。

一本でそれなりに栄養補給できますので、食べられない場合は経腸栄養剤を有効活用してみて下さい。

経腸栄養剤は、医師の処方が必要になりますので、食べられない旨を伝えて処方して貰いましょう。エンシュアやエネーボ、ラコールなどの種類があり、味もイチゴ味やチョコ味など様々あります。ご自身にあった物を探してみて下さい。

プロテイン、EAAを飲む

点滴や経腸栄養剤を飲むほどうつ症状は酷くないという方は、プロテインやEAA(アミノ酸)のサプリを飲むのも効果的です。

うつ病の人は、セロトニンなど脳の神経伝達物質の分泌が低下していると言われていますが、この脳の神経伝達物質はタンパク質を分解して出来たアミノ酸を元に作られています。

ですので、脳の神経伝達物質のバランスを整えるためにも、プロテインやEAAなどのアミノ酸をサプリなどで摂取する事もオススメです。

プロテインやアミノ酸などは、様々な種類がありますが、具体的にどのサプリを選んだらいいかについては、うつ病の改善には何のサプリメント飲むといい? 分子栄養医学の観点からオススメのiHarbサプリを紹介!で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。

うつでも簡単に食べられる食事は?

うつの方の中には、食欲はあるけど食事の準備が出来なくて食べられないという方もいますよね。

うつ病に良いとされる食べ物や食事については、「和食」「地中海料理」などと言われていますが、このような凝った料理が作れるなら、そもそもうつ病と診断されませんよね。

基本的には、料理をして食べた方が良いのですが、食事の準備が出来ない状態の方のために、包丁も火も使わないで食べられる、うつに効果的な食事をご紹介します。

これらの食べ物は、脳に必要なタンパク質や脂質が多く含まれているので、普段の食生活に取り入れることでうつ症状の緩和が期待できますよ。

サバ缶

最も手間がかからず、蓋を開ければすぐに食べられるサバ缶は、普段の食生活に是非取り入れたい一品です。

サバには、脳に良いとされるDHA・EPAが豊富に含まれているほか、タンパク源としても優秀な食べ物です。

サバ缶を食べるときは、中に入っている汁も飲み干すようにして下さい。この汁にはDHA・EPAが豊富に溶け出していますので、これを捨ててしまうと大事な栄養素が無駄になってしまいます。

一缶100円から150円程で購入できますので、保存食として常備しておくか、毎朝の朝食にしても良いでしょう。

ハンバーグ・お惣菜

最近は、コンビニなどで一人暮らし用のお惣菜や冷凍食品が多く売られるようになってきました。うつで食事が作れない方は、このような商品も活用してみましょう。その中でも、ハンバーグはオススメです。

ハンバーグは牛肉や豚肉が使われているので、タンパク質の補給にはうってつけです。おそらく最も美味しく食べられるタンパク源は、ハンバーグだと言っても過言ではありません。しかも、レンチンするだけですぐに食べられます。

ハンバーグに使われている肉はミンチにされているので、消化吸収も良く、胃にあまり負担がかかりません。

さらに、トマトソースやデミグラスソース、和風ソースなど味にも種類があるので、飽きずに続けることが出来ます。

コンビニやスーパーなどで、何を食べようか迷ったときは、ハンバーグを選んでみて下さい。

ゆで卵・温泉卵

卵は、完全栄養食とも言われ、タンパク質や脂質、ビタミンがバランス良く含まれています。うつ症状がある人は、是非食べて頂きたい食べ物の1つです。

スーパーやコンビニでは、予めゆで卵や温泉卵に加工してある商品が販売されていますので、お湯を沸かしてゆでる気力がない方は、このようなものを選んで食べてみて下さい。

もし出来るのであれば、スーパーで売っている10個入りパックを自分でゆでてストックしておくのもオススメです。自分でゆでれば、200円程度で10個食べられるので、かなりコストパフォーマンスが高いです。

この場合は、沸騰したお湯に6分程度ゆでる、「半熟」状態にしておきましょう。卵は、生や固ゆでよりも半熟の状態が最も吸収が良いと言われています。

お好みで5分や7分に調節して、食べやすい固さを見つけてみて下さい。

サラダチキン

一時期ブームにもなりましたが、封を開ければそのままかじりつけるサラダチキン類もオススメです。手軽にタンパク質を補給することが出来ます。

サラダチキンは主に鶏の胸肉を使っているので、脂質が少なく淡泊な味わいですが、写真のように色々な味付けがされているものが増えてきました。その日の気分によって味を変えることで、飽きずに食べ続けることが出来ます。

刺身

火も包丁も使わずに手軽に食べられる物としては、刺身もオススメです。

刺身なら、予め切ってある物がスーパーで売られていますので、買ってきたらそのまま食べることが出来ます。

刺身の中でも特にオススメなのが、カツオやマグロなどの赤身の刺身です。これらの刺身には、タンパク質やDHA・EPAが豊富に含まれているだけで無く、脳の神経伝達物質の合成に必要な鉄分も多く含まれています。

鉄分が不足するとうつ症状やパニック症状が引き起こされることから、うつ症状がある方には積極的に食べて頂きたい食べ物の1つです。

ステーキ・焼き肉

もし、火を使えるなら肉を焼いて食べるのもオススメです。

肉にはタンパク質や脂質が含まれているので、脳の神経伝達物質の材料となるアミノ酸や、体を動かすためのエネルギー源となる脂質が多く摂取出来ます。

特に、牛のモモ肉などの赤身肉には、脳の神経伝達物質の合成に必要な鉄分亜鉛が豊富に含まれているので、うつヌケしたいなら必ず食べて頂きたい食べ物です。

もし、包丁で切ったり火が使えるのであれば、鍋はいかがでしょうか。包丁を使いたくない場合は、使い捨てのアルミ鍋と切られた食材がセットになった物がスーパーで売られていますので、このような物を選ぶのも手です。

鍋なら、具材を煮込むだけで食べられるので、料理が苦手な方にうってつけのメニューでしょう。肉と野菜、キノコなどがバランスよく食べられるので、タンパク質と脂質、食物繊維が同時に摂取する事が出来ます。

注意点としては、〆のラーメンやうどんなどは控えて下さい。これらは炭水化物なので、食べると体内で糖質に変わります。糖質は血糖コントロール障害を引き起こしますので、うつの方は炭水化物をなるべく控えることが正解です。

鍋をするときは、白菜や肉、キノコなどを多めに入れて、鍋の具だけでお腹いっぱいにするようにしましょう。

海藻サラダ

前述しているオススメの食べ物では、タンパク質が多い食べ物ばかりですが、これと同じく重要なのが食物繊維です。

食物繊維は、消化を良くしたり、便の状態を良くしてくれる事から、積極的に食べて頂きたい食べ物の1つです。

タンパク質ばかりに偏った食事をしていると、便秘になったり腸内環境が悪くなったりしてしまうことから、これが脳にも影響を及ぼしてうつ症状を発症する原因にもなります。これを脳腸相間(のうちょうそうかん)ともいいます。

うつだとサラダまで作る事はなかなか難しいと思いますので、スーパーやコンビニなどで売られているサラダなどを活用しても良いでしょう。

この際は、ワカメなどの海藻が入っている海藻サラダがオススメです。他のサラダに比べて食物繊維やミネラルが多く含まれています。

逆に、ポテトサラダやマカロニサラダなどの炭水化物が多いものは避けて下さい。血糖値に影響を及ぼし、うつ症状の原因にもなり得ます。

是非、前述したタンパク質多めの食べ物に加え、海藻サラダなども追加してバランス良く食べてみて下さい。

最終手段は入院!

もし、これらの食事やサプリメントも摂れない、病院に行けず点滴も受けることが出来ないという場合は、どうしたら良いのでしょうか。

このような状態は、すでに相当体が弱っていますので、病院に入院することを検討してみましょう。または、栄養療法を行ってくれる施設などに入所するという手もあります。

入院すれば、病室に食事が運ばれて来ますので、あなたが用意する必要はありません。また、入浴などに不安がある場合は介助を受けることも出来ます。

他には、家族関係や夫婦関係に問題があって、一人になりたいときも、入院や施設の入所はオススメです。

ストレスや暴力などを受け続ける事もうつ病の発病、悪化の原因になりますので、ストレスケアや人間関係のリセットという意味でも、入院は有効活用することが出来ます。

入院や入所するにあたっては、抱えている疾患や状態にもよりますので、医師と相談して適切な入院先と医療を受けられる病院を探しましょう。

また、うつ病は質的栄養失調が主な原因になりますので、病院食はちゃんとした食事が出てくる所に入院するのがオススメです。

入院や入所をして、心身ともに体調がある程度良くなってきたら、この記事に書かれている食事やサプリメントなどを摂取してみて下さい。

うつが辛くて食欲が無い、食べられない、作れない時はどうしたらいい?まとめ

以上が、うつが辛くて料理が作れないとき、食べられない時の対処法でした。

ここまでの流れをまとめると・・・

  • うつ病は栄養状態の悪化でさらに酷くなる
  • 食事を取らなければ、うつは治らない
  • 食事をせずに薬だけを飲んでも意味が無い
  • 食べられない時はマイヤーズカクテル点滴を受けてみる
  • 経腸栄養剤を処方して貰う
  • プロテイン、EAA(アミノ酸)のサプリを飲む
  • サバ缶や温玉、ハンバーグなど、火も包丁も使わない物を食べる
  • どれも出来ないくらいうつが辛い場合は、入院も検討

という感じになります。

食べられないくらいうつや体調が悪いときに、無理して何かを食べたり、経腸栄養剤やサプリを飲むのは辛いと思いますが、薬だと思って頑張ってみて下さい。

何も食べない状態でいると、ますますうつが酷くなってしまいます。

酷くなればなるほどうつが悪化し、ますます食事が摂れなくなってしまいますので、食べられなくなったときは早めに点滴をするか入院をするなど対処しましょう。

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