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ヨーグルトはうつに逆効果! 分子整合栄養医学の観点からヨーグルトとうつの関係を解説!

ヨーグルトは、整腸作用があるとしてよく知られていますが、アレルギー対策、免疫力強化、ピロリ菌に対する効果などを期待してヨーグルトを選んでいる方もたくさんいらっしゃると思います。

また、なんとなく体に良さそうだから、という理由でヨーグルトを食べている方も多いかもしれません。

しかし、そのヨーグルトがうつ症状の原因になるとしたらどうでしょうか?

今回は、ヨーグルトがうつ症状にどのような影響を与えるのか、腸内環境とうつ症状の関係も併せて解説します。

目次

ヨーグルトがうつに良いって本当?

近年、研究によってうつ病の原因の1つが、腸内環境の悪化が関係していることが分かってきました。

これは、「脳腸相間」という言葉が浸透してきたように、腸と脳の調子が密接に影響し合う関係にあります。脳がストレスを感じるとお腹が痛くなったり、逆に腸内環境が悪化すると脳の調子も悪くなり精神症状が現れるといったように、腸と脳は相互に影響し合っています。

うつ病は脳の神経伝達物質である「セロトニン」の過不足が原因とされていますが、実はこのセロトニンが脳に存在しているのは数%で、全身の90%以上が腸に存在しているのです。

そして、腸のセロトニンの過不足が多くの胃腸症状と関係していることや、腸におけるセロトニンの合成状態が脳内セロトニンの合成に大きく影響していることがここ最近分かってきました。

つまり、うつ症状の改善には腸内環境を整えることが重要性になってくるのです。

腸内環境が悪いとうつ病が悪化する

もし、あなたのうつ症状が「腸内細菌によってもたらされている」としたら、あなたはどう思うでしょうか。

腸内細菌(ちょうないさいきん)とは、人や動物の腸の内部に生息している細菌のことで、人の場合では約3万種類、100兆〜1000兆個が生息し、1.5kg-2kgの重量になると言われています。

腸は、この腸内細菌の力を借りて消化・吸収を行っています。腸内細菌のバランスが崩れれば、腸の健康も崩れ、腸の健康が崩れると脳の健康も崩れるというように、相互に影響を及ぼしています。

つまり、腸の健康状態と共に、脳の健康状態をも決定づける重要な要因が腸内細菌なのです。

そんな馬鹿な、と思うかもしれません。しかし、国立精神・神経医療研究センターとヤクルトが共同で行った研究では、腸内細菌がうつ症状と深く関わっていることが分かっているのです。

国立精神・神経医療研究センター神経研究所(所長 武田 伸一)の相澤恵美子研究員と功刀 浩部長(疾病研究第三部)とヤクルト本社(社長 根岸 孝成)の辻 浩和室長(中央研究所)らを中心とする共同研究グループは、43人の大うつ病性障害患者と57名の健常者の腸内細菌について、善玉菌であるビフィズス菌と乳酸桿菌の菌数を比較したところ、うつ病患者群は健常者群と比較して、ビフィズス菌の菌数が有意に低いこと、さらにビフィズス菌・乳酸桿菌ともに一定の菌数以下である人が有意に多いことを世界で初めて明らかにしました。この結果から、善玉菌が少ないとうつ病リスクが高まることが示唆されました。

このように、腸内細菌と腸の健康、脳の健康が密接に関係していることが研究によって分かっています。

この腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌が有名ですが、どっちつかずの日和見(ひよりみ)菌が圧倒的に多いのです。

日和見菌は、善玉菌が優勢であれば善玉化し、悪玉菌が優勢であれば悪玉菌化するという性質を持ち、日和見菌をどれだけ善玉化させることが出来るかが腸内環境を改善するポイントになります。

そこで、腸内環境を整えるためには善玉菌が多く含まれているヨーグルトを積極的に摂取しましょう、と言いたいところですが、実はヨーグルトはうつに効果が無いどころか、逆効果となるのです。

ヨーグルトは、うつに効果無し

以上のように、うつの原因の1つとして、腸内環境の悪化や腸内細菌のバランス悪化が影響を及ぼしていることは事実です。

一般的に、乳酸菌と言えばヨーグルトですよね。ヨーグルトは、カルシウムや脂質、タンパク質を豊富に含んでいるので、万能な食べ物というイメージが強いのではないでしょうか。

おなかの調子を整えるには、ヨーグルトを食べるのが常識とされていますが、以下の理由からヨーグルトはうつに効果が無いどころか、逆効果であると言えるのです。

ヨーグルトの動物性乳酸菌は胃でほとんど死滅

乳酸菌には、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌があり、ヨーグルトに含まれているのは動物性乳酸菌です。動物性乳酸菌は酸に弱い性質があり、胃酸や胆汁酸に触れるとほとんどが死滅してしまいます。

逆に、ぬか漬けやキムチ、味噌等に生息する植物性の乳酸菌は酸に強く、生きたまま腸に届くことが分かっています。

同じ乳酸菌でも、これほどまでに生命力が違うのは何故なのでしょうか? 日経スタイルの記事に以下のような記述があります。

「植物性乳酸菌は厳しい環境でも育つからです。動物性乳酸菌は牛乳の乳糖をエサにして、30~35度に保温され、厳密に衛生管理された環境でつくられます。これは、低温だと育たず、他の菌と共生することができないから。一方、植物性乳酸菌は豊富とはいえない野菜のブドウ糖をエサに育ちます。漬物だるの中は塩分や酸が多く、しかも、寒い場所に置かれます。これは、菌にとっては過酷な環境。さらに、ヨーグルトほど衛生面は厳密に管理されないため、入り込んできたさまざまな細菌や酵母と生存競争をしながら生き延びます。動物性乳酸菌が大事に育てられたおぼっちゃまだとすると、植物性乳酸菌は過酷な環境で生き延びた野生児といえます」(東京農業大学名誉教授の小泉幸道さん)

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO13706730W7A300C1000000?channel=DF140920160927

このように、過酷な生存環境で生き抜いてきた植物性の乳酸菌は、胃酸や胆汁酸をものともせず、腸内まで届きます。腸内に入った後も生存競争を勝ち抜くために戦い続けるのです。

この生命力こそが、悪玉菌をやっつける力、しいて言うなら整腸作用に繋がります。

もし、動物性の乳酸菌が胃酸を逃れて腸まで届いたとしても、他の強い菌にすぐにやられてしまい、過酷な腸内で生き抜くことが出来ません。

つまり、ヨーグルトに含まれる動物性の乳酸菌は、整腸作用に全く効果が無いと言えるのです。

カゼインタンパクが腸に与える悪影響

ヨーグルトの主成分は、「カゼイン」というタンパク質です。牛乳のタンパク質には2種類あり、ヨーグルトの上澄みに出来る透明の液体が「ホエイ」と呼ばれるタンパク質、白くドロドロと固まっているものが「カゼイン」というタンパク質です。

ヨーグルトの悪影響は、このカゼインタンパクの影響が最も大きいと言えるでしょう。

カゼインは、分解されにくい構造をしているため、消化されないまま小腸に到達し、その場に残ってしまいます。

健康な腸なら有害になることはありませんが、うつ病などの質的な栄養失調により腸が弱っていたり、腸内環境が悪かったりすると、腸粘膜に入り込み、炎症を起こしてしまうのです。

さらに、カゼインを構成しているペプチドが分解されないまま体内に入ってしまうと、脳の中枢神経に麻薬同様の作用をもたらします。

これは、カゼイン由来のグリアジンのアミノ酸配列が「モルヒネ」にそっくりなことから、脳が誤認識をして脳の受容体にくっついてしまうのです。

すると、シナプスから出てくる正常な神経伝達物質の分泌を阻害するため、こころの安定に必要なセロトニンやドーパミン、GABAなどが出づらくなったり、過剰に分泌されてしまったりします。

この結果、イライラする、うつ症状が出る、眠気が起きる、ぼーっとするというような、心身に悪影響を与えるのです。

胃腸や腸が健康な状態であれば、カゼインタンパクが腸粘膜に入り込むことは少ないので、ヨーグルトの摂取は一定のメリットがあります。

しかし、うつ症状がある人は腸粘膜が弱っている可能性が高いので、ヨーグルトの摂取はデメリットしかありません。

うつ症状の改善を目的とするなら、乳酸菌の補給は植物性の乳酸菌を食べ物で摂取するか、サプリメントで補うようにしましょう。

乳酸菌の補給は、植物性もしくはサプリメントで!

上述したように、ヨーグルトは乳酸菌の補給、タンパク質の補給共に適していない食材である事が分かって頂けたかと思います。

では、植物性の乳酸菌を補給したい場合はどのような食材を食べれば良いのでしょうか。植物性の乳酸菌が多く含まれている食べ物は、以下のようなものです。

  • キムチ
  • ぬか漬け
  • 味噌(そのまま)

その他、野沢菜、たくあんなど時間が経つと酸味が出てくる漬物にも植物性の乳酸菌が多く含まれています。

しかし、最近では殺菌したキムチや漬物、調味料で味付けした漬物など、発酵させていない食品がスーパーでは多く販売されるようになりました。

生きたままの乳酸菌を摂りたい場合は、スーパーに売っているようなものではなく、漬物屋さんなどで手作りしているものを選ぶと良いでしょう。

これらの食べ物がなかなか手に入りにくい場合は、サプリメントで補うのも手です。

うつぬきやがオススメするサプリメントは、8種類の臨床研究済み活性プロバイオティック菌株を使った乳酸菌、ビフィズス菌サプリです。

この菌は、胃酸や胆汁酸などの酸に強いことが臨床によって確認され、腸細胞株に付着することが研究で示唆されています。

このように、サプリメントを選ぶ際は胃酸に強いことに加え、腸に届くことが確認されている菌が配合されているものを選ぶことが重要です。

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ヨーグルトはうつに逆効果! 分子整合栄養医学の観点からヨーグルトとうつの関係を解説!まとめ

以上が、腸内細菌がうつ症状に与える影響と、ヨーグルトの危険性でした。

ここまでの流れをまとめると・・・

  • うつ症状は腸内環境が関係している
  • 腸の健康は腸内細菌のバランスが重要
  • 腸の調子が悪くなると、脳の調子も悪くなる
  • ヨーグルトの乳酸菌は生きて腸まで届かない
  • ヨーグルトのカゼインは、うつ症状を悪化させる
  • 生き手帳まで届くのは、植物性の乳酸菌
  • ぬか漬け、キムチ、味噌などの摂取が難しければサプリメントで補う

というような感じです。

健康な人がヨーグルトを食べる分には問題ない場合が多いですが、うつ症状がある人は腸が弱っている場合が多いので、ヨーグルトは逆効果となります。

便秘や下痢をしている場合は、ヨーグルトの摂取は避け、植物性の乳酸菌が多く含まれているぬか漬けやキムチ、味噌などで補いましょう。

これらの摂取が難しければ、サプリメントで補うのも1つの手です。

また、うつ症状の原因は、腸内環境の悪化だけではありません。他にも様々な原因が組み合わさってうつ症状を発症しています。

他の原因に当てはまっていないかは、うつ病が発症する原因とは? メカニズムと要因を解説で詳しく解説していますので、チェックしてみて下さい。

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