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生理前になるとうつになる・・・原因と解決法は? 月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)とうつ病の関係性

生理前になると、だるい、むくむ、眠い、イライラする、ニキビ・肌荒れ、胸が張って痛いなど、心と体の不調が現れて困っていませんか?

「もしかして私うつ病かも・・・」と精神科や心療内科の受診を検討しているなら、ちょっと待って下さい!

これらの症状は、うつ病とは関係なく、女性特有のホルモンバランスの乱れから起こるPMS(月経前症候群)かもしれません。

今回は、PMSの原因とうつ症状との関係、改善方法をご紹介します。

目次

生理前になるとイライラ、うつ気味になる・・・もしかしてPMS・PMDDかも

生理前になるとうつ症状やイライラする・・・もしかしてうつ病かも? と疑う前に、PMSやPMDDの症状を疑いましょう。

月経前症候群(PMS)とは

月経が始まる1〜2週間前から起こる、乳房が張る、肌が荒れる、むくむ、冷える、頭痛、腰痛がする、イライラする、集中力がなくなる、食欲がなくなる、うつっぽくなるなどの様々な不快症状のことです。

これらの症状は月経開始と共に消失する、周期的の肉体的、精神的症状です。女性のおよそ50~80%がPMSといわれています。

PMSは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンのバランスがうまく取れないことで起こると言われています。

月経前不快気分症候群(PMDD)とは

PMSに比べて日常生活に支障をきたすようなメンタル症状が、さらに強いというのが特徴です。女性のおよそ5%の方がPMDDを経験しているそうです。

症状が起こるまでは普通の生活をしていたのに、PMDDが発症すると、数日間だけ完全に別人のようになってしまいます。

特に酷い人は、自殺まで考えるほど辛い症状が起こるようです。PMSにしてはメンタル症状がつらいという人は、PMDDの可能性があります。

生理不順は薬の副作用かも

PMSやPMDDとは関係ありませんが、うつ症状の治療で精神薬を飲んでいる場合は生理不順が起こることがあるようです。

精神薬の一種である「ドグマチール」「トレドミン」などは、生理不順になる場合があるようです。

副作用とまでは断定できませんが、もしこれらの薬を飲んでいて生理不順になってしまった場合は、主治医に相談してみましょう。

一般的な治療法

PMSやPMDDの治療手段としては、低用量ピル、漢方薬、プラセンタ、ホルモン補充療法、SSRIなどの抗うつ剤を用いた薬物療法などがあります。

これらの治療方法は、「対症療法」と呼ばれていて、足りなくなっているものを補ったり、鎮痛剤で痛みを和らげたり、抗うつ剤でごまかしているだけに過ぎません。

原因となっているホルモンバランスの乱れを体が整えられるようになるわけではないので、死ぬまでずっと治療を続けなければなりません。

根本から解決するには、女性ホルモンのバランスを食から整える事と、イライラや不安を穏やかにする脳の栄養を補給することが一番です。

PMS・PMDDを根本から解決するには?

PMSやPMDDを根本から解決するには、自分の体でホルモンのバランスを整えられるようになることが非常に重要です。

その為には、PMSやPMDDの原因や、女性ホルモンが何の材料を元に作られていて、どんな食生活や栄養素を取り入れればホルモンのバランスがとれるのかを理解することが必要です。

PMS・PMDDの改善にはコレステロールが重要!

PMSやPSMMの原因は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが深く関わっています。

このエストロゲンやプロゲステロンは、実はコレステロールを原料に作られているのです。コレステロールと言えば、動脈硬化を引き起こす原因として悪者扱いされていますが、それは大間違いです。

血中のコレステロールの4分の3は、おもに肝臓で合成されています。コレステロール値を下げようと卵を控えている方も多いかもしれませんが、卵を控えてもコレステロールが下がるというわけではありません。

何かと悪者扱いされているコレステロールですが、私達の体の中ではコレステロールが非常に重要な役割をしています。その1つが、ホルモンの原材料なのです。

上図は、コレステロールの代謝経路を図にした物です。

私達の体では、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素からアセチルCoAに合成され、主に脳や体を動かすエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)の材料として使われています。

そして、アセチル CoAのもう一つの役割が、コレステロールの原料となることです。このコレステロールは、性ホルモン、ストレスホルモンなどの重要なホルモン合成の出発点となっています。

コレステロールを材料にして作られるホルモンには、血糖値の維持に不可欠なコルチゾールのほか、テストステロンやプロゲステロンなどの性ホルモンも含まれます。

ホルモンバランスが乱れている女性の多くは、タンパク質や脂質を摂取するとカロリーオーバーで太るという意識があり、肉や魚、脂肪分を避ける食生活をしがちです。

これはむしろ間違いで、美容やダイエット、更年期障害、PMSやPMDDにはタンパク質と脂質を多く摂取する方が正解なのです。また、DHEAはエストロゲンの材料になるので、DHEAをサプリで補うことも有効です。

ちなみに、アセチルCoAに最も少ない反応で合成できるのが「脂質」です。糖質は血糖値スパイクやインスリンの分泌から避けた方が良く、タンパク質はできるだけエネルギー源にならないようにする事が重要です。つまり、エネルギー源はできるだけ脂質から得るようにするのが理想です。

また、太る原因は糖質の取り過ぎによるものです。糖質は、体内で使い切れなかった分は脂肪として貯えられ、肥満やメタボリックシンドロームの原因となります。

女性ホルモンのバランスを整えるには、米やパン、うどんやパスタなど糖質が多い物をさけ、肉や魚、大豆などのタンパク質と脂質を多く食べるようにしましょう。

鉄分の補給も重要

女性のうつやパニック障害とみられる症状の多くは、鉄欠乏が原因です。特に月経のある時期の若い女性は、毎月血液と一緒に鉄分を排出していることになり、慢性的な鉄不足に陥っています。

鉄不足かどうかの確認として、健康診断の貧血チェックでは血液中のヘモグロビン値を見ると思いますが、本当に鉄不足かどうかは「フェリチン値」を図ることが重要です。

フェリチンとは、鉄と結合しているタンパク質の1つです。貯蔵鉄とも呼ばれ、フェリチン値が低いと「潜在性鉄欠乏貧血」になります。

鉄分は、血液の主成分以外にも、脳内神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの材料として欠かせない栄養素です。

下図は、うつの改善に必要な脳内神経伝達物質の分解、合成を表した物です。

摂取したタンパク質(プロテイン)が胃酸とカルシウムとビタミンCによってL-グルタミン、L-フェニルアラニン、L-トリプトファンに分解されます。

そこから脳の神経伝達物質であるGABAやドーパミン、セロトニンに合成するためには、ビタミンなどに加え、Fe、つまり鉄が必要になるのです。

鉄が不足していると、自律神経の安定に必要なこれらの神経伝達物質が合成出来なくなり、しいてはうつ症状があらわれるのです。

タンパク質、ビタミン・ミネラルの補給も同時に

上述したように、タンパク質はうつの改善に必要な脳内神経伝達物質の材料になります。タンパク質の分解には鉄に加え、ビタミンB群とミネラルが必要になりますので、積極的に摂取しましょう。

女性のタンパク源としてオススメなのが、ソイプロテインです。ソイプロテインは、大豆を原料としたプロテインで、植物性のタンパク質を多く含んでいます。

大豆には大豆イソフラボンが含まれており、これが女性ホルモンのエストロゲンと構造がそっくり似ています。これが女性ホルモンと似た働きをすることでホルモンバランスを整えてくれると言われています。

例えば、月経前にイライラしたり、食欲が増殖したり、心身に不調が出たりするPMSは、エストロゲン過剰なために起こることが多いのですが、こうした場合にも大豆イソフラボンを摂ると、エストロゲンの受容体にくっついて、エストロゲンの作用を弱めてくれます。

つまり、大豆イソフラボンには、エストロゲンが足りない人にはその作用を強め、エストロゲンが過剰な人にはその作用を弱めてくれる、とてもマイルドな調整作用があるのです。

大豆イソフラボンは、構造がエストロゲンに似ていることから、女性ホルモンが関与しているがんの発症や再発のリスクをあげるという情報もありますが、そのようなことはありません。

大規模臨床試験でも、ホルモンの感受性に関わらず、大豆摂取が乳がんによる死亡と再発を抑制してくれることが分かっています。

生理前になるとうつになる・・・原因と解決法は?まとめ

以上が、PMSとPMDDの原因と解決方法でした。

ここまでの流れをまとめると・・・

  • PMS・PMDDは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランス悪化で起こる
  • 特に、PMSはエストロゲン過剰になると起きやすい
  • PMSの改善には、ソイプロテインとコレステロールが重要
  • 月経で鉄分が失われるとうつ症状を引き起こすので、鉄分の補給を心がける
  • タンパク質も脳の神経伝達物質の材料になってうつ症状を和らげる
  • タンパク質の分解、合成にはビタミンとミネラルが必要

というような感じです。

PMSやPMDDで悩まされている方は、ダイエットと思って肉や魚、油などの脂肪を避けていませんでしたか?

実は、間違った食生活やダイエットが女性ホルモンのバランスを乱し、PMSが発症する主な原因なのです。

コレステロールなどは悪者扱いされていますが、むしろホルモンの原料となるので積極的に摂取すべき栄養素です。

このように、元の原因が分かり、食生活を改善していけば、ホルモン補充療法や抗うつ剤などを服薬しなくても十分に改善していくことが出来ます。

もし、「どんなサプリを飲めば良いのか分からない」という方は、うつぬきやのカウンセリングをご利用下さい。あなたの食生活から足りない栄養素を推測し、必要なサプリと改善すべき食生活をご提案致します。

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