うつ病の原因は脳の神経伝達物質である「セロトニン不足」であるというのが一般的ですが、中には「カルシウム不足」がうつ症状と関係していると書かれている情報もありますね。
もし、カルシウム不足がうつ症状の原因なら、カルシウムを補給すれば抗うつ剤や安定剤などを飲まなくてもうつヌケできることになります。これが本当だったらありがたいですよね。
しかし、なぜカルシウムとうつ症状が関係あるのでしょうか? カルシウムなんて、ほとんどの人なら足りているような栄養素なのに、なぜうつを引き起こすのでしょうか?
今回は、カルシウムという栄養素についてと、カルシウムとうつの関係、カルシウムパラドックス、オススメのサプリについて、詳しく解説します。
目次
カルシウムとは?
カルシウムと聞くと、骨や歯を構成している成分というイメージがありますよね。実は、カルシウムは骨や歯を強くする以外にも、脳の神経伝達物質を正常に分泌させたり、筋肉を動かしたりするために必要な栄養素なのです。
カルシウムは、人や動物に欠かせない必須ミネラルの1つで、人体では体重の1%〜2%の重さで体内に存在しています。
体内のカルシウムは、99%は骨と歯に、残りの1%が血液などの体液や筋肉などの組織にあります。この1%のカルシウムが出血を止めたり、神経の働きや筋肉運動など、生命の維持や活動に重要な役割をしています。
血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれるシステムになっていて、血液中のカルシウム濃度が下がると骨からカルシウムを供給する仕組みになっています。つまり、骨や歯は、体を支える以外にもカルシウムの貯蔵庫として重要な役割を果たしているのです。
この血液中のカルシウムは、私達の筋肉を動かしたり、神経伝達物質の分泌を正常に行うために日々消費されています。以下の図と表が、カルシウムの主な働きをまとめたものです。
骨カルシウム |
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血清カルシウム (血液に含まれている カルシウム) |
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細胞内カルシウム |
※細胞内カルシウムはからだの中で重要な情報を伝える役目をするセカンドメッセンジャーとしてのはたらきもあります。 |
このように、カルシウムは骨や歯を強くする以外にも、神経伝達物質やホルモンの分泌の合図を担っていたり、神経や筋肉の興奮性の調整をしていたりなど、様々な役割を担っていることが分かります。
それでは、このカルシウムが不足してしまうとどのような影響が起こるのでしょうか。
カルシウム不足の症状
カルシウムが不足すると次のような症状や病気が起こる可能性が出ます。
- 小児のくる病
- 骨粗鬆症
- 心疾患
- 高血圧症
- 動脈硬化
- 妊娠高血圧症候群
- 認知障害
- 免疫異常
- 糖尿病
- 肥満
- 腫瘍
- 軟骨の変性と変形性関節症
このように、カルシウム不足は様々な疾病をもたらします。
ですが、カルシウム不足に、「うつ」は見当たりませんね。他に関係がありそうなものとしては脳機能が低下する「認知障害」があげられています。
カルシウムは、認知機能と深く関わっているようですが、うつとは関係がないのでしょうか?次の項目で詳しく見ていきましょう。
カルシウムとうつの関係とは
カルシウムは、骨や歯を強くする以外にも、脳機能や筋肉の収縮など、様々な人体機能と深い関わりがあります。
カルシウムが脳の神経伝達物質の分泌と深く関わっているなら、カルシウム不足がうつ症状と何らかの関係性があってもおかしくないですよね。
結論を先に言ってしまうと、カルシウムの不足とうつ症状はあまり関係がありません。もちろん、重度のカルシウム不足であればカルシウムパラドックス(詳しくは後述)が原因でうつ症状になるかもしれませんが、その前に骨や歯からカルシウムを取りだして使いますので、カルシウムの血中濃度が極端に低くなることはほとんど無いからです。
ですので、カルシウム不足がうつ症状や感情に直接影響を与えることはほとんどありません。
カルシウムが不足するとイライラするって本当?
でも、カルシウムが不足するとイライラするなんてことを聞いたことがありませんか? イライラしている人を見て、「あの人はカルシウムが足りない」なんてよく言ったものです。
この、「カルシウムが足りないとイライラする」というのも、実は何の関係も無い事が分かっています。
理由としては、上記カルシウムとうつの関係と同じく、足りない分は骨から血液に供給される仕組みになっているからです。
では、なぜ「カルシウムが不足しているとイライラする」と言われるようになったかについては、「この差ってなんですか?」という番組内の解説で、「ストレス社会の原因はカルシウム不足!?」という記事が載ったことが原因とされています。
このように、カルシウムの不足がうつ症状やイライラ等の感情面に直接影響を与えることはありません。
しかし、「ストレスがかかるとカルシウムが捨てられてしまう」というのは事実です。言い方が違いますが、ストレス社会ではカルシウム不足になるのは事実なのです。下図は、寒さや精神的なストレスがかかったときの、尿中カルシウム排泄量の変化です。
ストレスをコントロールした青線に比べ、ストレスをかけた赤線のほうがより多くのカルシウムが尿で排泄されていることが分かります。
このように、摂取したカルシウムがストレスによって捨てられると、体内では足りない分を骨や歯を壊して補給します。
そして、血中カルシウム濃度を一定に保とうとするのですが、骨や歯からカルシウムを取り出しすぎて、カルシウムが体内にあふれてしまう現象が起きます。これが「カルシウムパラドックス」と呼ばれている現象です。
カルシウムパラドックスが、認知症やうつの原因となる可能性が
カルシウムパラドックスとは、不足した血中カルシウム濃度を補うために、骨を溶かして補給する際、余分なカルシウムが体内にあふれてしまって、細胞や血管、骨に沈着してしまう現象のことです。
余分なカルシウムが細胞に沈着すると、アレルギーや結石、認知症、糖尿病など様々な症状が起こります。
この細胞というのは、もちろん脳細胞も含まれています。脳細胞にカルシウムが沈着してしまうと、認知症やうつなどを発症してしまうと言われています。
ですので、一時的なカルシウム不足は骨を溶かして補給できますが、カルシウムパラドックスが起きるほど重度のカルシウム不足は、脳細胞にも多大なダメージを与えてしまうのです。
このカルシウムパラドックスが起きてしまう原因が、カルシウムの摂取不足と、ストレスです。現代人は、パンやうどん、ラーメンなど炭水化物に偏りがちな食事をしています。そして、低賃金で過労死させるほど働かせるブラック企業がまんえんしています。
このような社会的な構造や食生活から、カルシウムパラドックスが起きるほどカルシウムが不足している人は、かなり多いのではないかと推測しています。
もし、心当たりがある人は、カルシウムパラドックスからくるうつを予防、改善するためにも、積極的にカルシウムを摂取するといいでしょう。
オススメのカルシウムサプリ
では、実際にどのカルシウムのサプリを飲んだらいいのかについてですが、うつぬきやではiHarbのサプリメントをオススメしています。
iHarbはアメリカのサプリ販売サイトですが、日本語や代引きに対応しているので安心して買い物をする事が出来ます。
サプリの品質や含有量、吸収率なども日本製よりアメリカのサプリのほうが進んでいますので、体の栄養を分子レベルで整えるなら、高品質なアメリカのサプリがオススメです。
iHarbが何故おすすめなのかや、具体的な購入方法などは、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にしてみて下さい。
うつぬきやでは、数あるカルシウムのサプリメントの中でもビタミンDが配合されているものと、マグネシウムとカルシウムがバランス良く配合されている物をオススメしています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。ビタミンDがないと、カルシウムはほとんど吸収することが出来ません。ですので、サプリで摂るときはビタミンDが配合されているものがいいでしょう。
マグネシウムは、カルシウムの吸収や働きを助ける重要なミネラルの1つです。カルシウムとマグネシウムが一定の比で存在することが、私たちのからだの調子を整えてくれるのです。
ですので、カルシウムを摂るときはマグネシウムが理想の比率で配合されているサプリメントがオススメです。
摂取するときの比はカルシウム:マグネシウム=2:1とする文献が多いですが、その比は1:1がいいのではないか、という意見もあります。
また、iHarbのカルシウムサプリメントは、日本のサプリメントと比べて含有量が多いので、過剰摂取にならないか心配される方も居るかと思います。この点については、過剰摂取にならないので安心して下さい。
カルシウムは、上述したように必要な分だけ吸収され、後は尿などで排泄されます。また、ストレスなどによっても排泄されますので、含有量の多いサプリメントなどを飲んでも問題はありません。ただ、マグネシウムを同時に摂取する場合は、取り過ぎるとお腹が緩くなる場合がありますので注意して下さい。
カルシウムパラドックスはうつの原因の1つですが、この他にもうつの原因は様々です。原因によって補給したほうがいい栄養素が違いますので、あなたのうつがどの原因から来ているのかをしっかり理解した方が良いでしょう。
具体的なうつの原因については、うつ病が発症する原因とは? メカニズムと要因を解説で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。
リンの過剰摂取に注意!
カルシウムをサプリや食品から摂取するときは、リンの過剰摂取に気をつけましょう。カルシウムとリンは、一緒に摂取するとくっついてしまい、小腸で吸収されにくくなってしまいます。
リンは魚類、乳製品、大豆、肉類など一般的な食品に広く含まれている成分ですが、スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンは、体内に入ったカルシウムを排泄してしまいます。リンの過剰摂取には気をつけましょう。
特に、牛乳の摂取は要注意です。牛乳はカルシウムが多く含まれているとして、小学校の給食などで必ずと言っていいほど出されています。
この牛乳には、確かにカルシウムが多く含まれているのですが、同じくらいリンが多く含まれているのです。ですので、牛乳を摂取すればするほどカルシウムとリンが結合し、排泄してしまいます。
排泄して足りなくなったカルシウムは、骨や歯を溶かして補充しようとしますので、牛乳を飲めば飲むほど骨がスカスカになってしまうのです。
また、お菓子や白米、食パン、うどんなどの精製された糖を摂りすぎると、食事で摂取したカルシウムの80%近くが体外に排泄されてしまうことがあります。
このように、食生活に気をつけないと、せっかくサプリで補給した栄養素が排泄されてしまいます。サプリで栄養を補給する際は、食生活にも気を配るようにしましょう。
カルシウムサプリはうつに効果ある? カルシウムとうつの関係を分子整合栄養医学の観点から解説!まとめ
以上が、カルシウムについてと、カルシウムとうつの関係でした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- カルシウムは、骨や歯を作る以外にも、脳や体を動かすために重要な役割を担っている
- 骨や歯は、重要なカルシウムの貯蔵庫
- 血中カルシウム濃度が低くなると、骨や歯を溶かして補給する
- カルシウムの不足が、直接うつ症状と関係しているわけではない
- カルシウム不足から来る「カルシウムパラドックス」が脳細胞にダメージを与える
- ストレス社会や食生活によって、カルシウムは流れ出てしまう
- カルシウムを補給するときは、ビタミンDとマグネシウムを同時に摂取する
- リンを大量に含む食品を食べると、せっかく摂ったかカルシウムが流れ出てしまう
こんな感じですね。
カルシウムは、骨や歯などの貯蔵庫からいつでも取り出せるので、カルシウム不足が即座にうつ症状やイライラ等に結びつくことはありません。
しかし、極度のカルシウム不足になると、骨や歯を溶かしすぎて細胞内にあふれてしまい、沈着してダメージを与えてしまいます。このカルシウムパラドックスが、うつや認知症などの原因の1つと考えられているのです。
この極度のカルシウム不足になる原因が、ストレス社会と食生活の悪化です。カップ麺やお菓子、コンビニのお弁当などリンが多い食生活に加え、ブラック企業などでの過重労働が重なると、深刻なカルシウム不足が起きて、カルシウムパラドックスが起きかねません。
カルシウムパラドックスからくるうつを防ぐには、食生活の改善や栄養の補給を心がけるようにしましょう。
とは言っても、カルシウム不足からくるうつというのは、うつの原因の1つでしかありません。タンパク質不足や悪い脂の取り過ぎでもうつ症状が現れる事があります。
ですので、カルシウムのサプリメントだけに拘らず、全体的に食生活や生活環境、栄養状態を改善することが重要です。
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