なんだか最近、体がだるい、やる気が起きなくなった、夜に眠れなくなったなど、様々な不調で悩んでいませんか?
これらの原因として考えられる一番の原因が、自律神経の乱れです。自律神経が乱れると、手足に汗をかいたり、めまいやだるさなど、様々な不調が現れます。
このような自律神経の乱れがうつ病の原因と言われており、このままではうつ病にも発展しかねません。
今回は、自律神経の乱れでおこる自律神経失調症とうつ病との関係性、原因や改善方法を詳しく解説します。
目次
自律神経失調症ってどんな病気?
自律神経失調症とは、その名の通り自律神経がバランスを崩して起こる病気です。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経は心拍数を上げたり気分を興奮させたりする、いわばアクセル役です。
対して副交感神経は、リラックスしたり眠くなったりと、いわばブレーキのような役割をしています。
この交感神経と副交感神経は下図のようにヤジロベーのような関係になっています。
https://health.suntory.co.jp/professor/vol10/
このヤジロベーのバランスがどちらかに傾くと、自律神経が乱れてしまい、心身に不調が現れやすくなります。どちらもバランスがとれていて、1:1になっている時が最も調子が良く、理想とされています。
自律神経失調症の症状
この自律神経のバランスが崩れてしまうと、以下のような症状が現れます。
・発汗過多
・手足の震え
・めまい、ふらつき、耳鳴り
・疲労感、昜疲労症、微熱
・不眠
・動悸、息切れ
・食欲不振、下痢、便秘
うつ病との違いは?
よく、自律神経の乱れがうつ症状と深い関係があると言われていますよね。では、自律神経失調症とうつ病との違いは何なのでしょうか。
うつ病は以下のような身体的症状に加え、心の症状も現れます。
身体的症状
- 不眠
- だるさ
- 食欲の低下
- 倦怠感など体の重さ
- 動機、息苦しさ
- 口が渇く
心の症状
- やる気が出ない
- 希死念慮
- 大好きだった趣味に興味が無くなった
- ペットや子供を可愛がれなくなった
- 自分を責める
- 会話や本などの内容が頭に入らない
自律神経の一時的な乱れは、誰にでも起こりますが、この乱れが改善せずにずっと続いてしまうとうつ病にまで発展してしまう場合があります。
自律神経失調症、うつ病の原因
ストレスや暴飲暴食によって、自律神経のバランスが一時的に崩れてしまうことは、健康な人でもおこりうることです。
健康な人であれば、一時的にうつ症状が現れたり自律神経のバランスが崩れても、しばらく休養すれば元に戻ります。
しかし、落ち込んでしまった気分がそのまま上がらないなど、自律神経の乱れが元に戻らなくなってしまうと、うつ病などが発症してしまう危険があります。
では、健康な人で自律神経のバランスが崩れてしまった場合と、自律神経失調症やうつ病などの「病気」にまでなってしまった人は、いったい何が違うのでしょうか?
うつ病の原因としてよく言われているのが、脳の神経伝達物質(モノアミン)の分泌低下です。
うつ症状にまでなってしまう人は、自律神経の乱れに加え、脳の神経伝達物質であるモノアミン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど)の分泌が少なくなってしまうことによって、気分が落ち込んだまま上がらなかったり、死にたいなどの希死念慮が起こってしまうのです。
うつ病の原因は、モノアミンの分泌異常以外にも様々
うつ病の原因は、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどのモノアミン分泌不足と言われている以外にも、以下のような原因からうつ症状が現れることが分かっています。
- 質的な栄養失調
- ストレスによる腸内環境の悪化
- 鉄分不足
- 薬の副作用
- ピロリ菌の感染
- 腸カンジダの感染
- 糖質の取り過ぎ(糖尿病、血糖調節障害)
- 腸の不調
- 脳の慢性炎症
- ホルモン障害
- 更年期障害とPMS(月経前症候群)
- アジソン病、クッシング症候群、ストレスによる副腎疲労
- 甲状腺機能障害
- 認知症(アルツハイマー)
- 妊娠、産後うつ
これは、脳の神経伝達物質に限らず、質的な栄養失調であったり、ホルモンバランスの乱れであったり、細菌に感染していたりするなど、多岐にわたります。
ですので、自律神経失調症がうつ病の原因と言うよりは、様々な原因が組み合わさって自律神経失調症とうつ症状が発病してしまうのです。
これらうつ症状の具体的な原因については、うつ病が発症する原因とは? メカニズムと要因を解説で詳しく解説していますので参考にして下さい。
どうやって自律神経を整えれば良いの?
自律神経のバランスが崩れたり、うつ症状になる原因は様々ですが、共通して言えることは「栄養状態が悪化することによる身体的不調」と「慢性的なストレス環境」にあります。
ですので、対策としては日頃から十分な栄養を摂取することと、適度な運動によるストレス発散が効果的です。
日頃から十分な栄養を摂る
自律神経やうつ症状は、「根性」や「忍耐」などでどうにかなるものではありません。脳の神経伝達物質の分泌が低下していたり、ホルモンバランスが乱れていたりと、「物質的な原因」が存在します。
ですので、これらの分泌を整える「栄養」が重要になります。
自律神経を整える栄養素としては、タンパク質に加え、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなどが欠かせません。普段から肉や魚などのタンパク質と野菜を多く摂るように心がけましょう。
また、自律神経のバランスを崩してしまう糖質、炭水化物の摂取しすぎは注意が必要です。これらは血糖値の乱高下(スパイク)を引き起こし、血糖値を正常に整えるために交感神経を刺激するホルモンが大量に分泌されます。
せっかく栄養を補給しても、これらホルモンの合成に栄養が使われてしまいますので、糖質や炭水化物はなるべく摂取しないように心がけましょう。
適度な運動を心がける
自律神経を整えるには、適度な運動も効果的です。運動をする場合は、屋内よりも屋外の日に当たるような運動をするのがオススメです。
日光を浴びる事によって、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するのに役立ちます。
この他、肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんに対する予防効果があることもわかってきました。このため、ビタミンDは免疫力の向上に役立つことが期待されています。
ビタミンDが不足すると、「冬期うつ」と呼ばれるうつ症状が発症することから、自律神経やうつ症状と深い関わりがあるとされています。
また、運動するときは激しい有酸素運動は避けた方が良いでしょう。最初は、ウォーキングや、ゆっくりした短距離のジョギングで良いと思います。また、プールに行って、水中ウォーキングなども良いかもしれません。
運動は睡眠の質を向上させる効果があるので、運動習慣のある人は寝付きが良い、睡眠時間が長い、深い睡眠が多い、夜の途中で目を覚ます中途覚醒が少ない、などの良質の睡眠をとっていることが知られています。運動により睡眠の質が向上すれば、これがさらに日中の気分の向上を作るということも言えるでしょう。
睡眠不足は自律神経の乱れやうつ症状と深い関係がありますので、日頃から適度な運動をして質の良い睡眠を取ることが重要です。
うつの原因は自律神経失調症? 自律神経とうつの関係や、改善方法を解説!まとめ!
異常が自律神経失調症とうつ病との関係、原因や解決方法でした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- 自律神経失調症とうつ症状は深い関係がある
- 交感神経と副交感神経のバランスが重要!
- うつ症状や自律神経が乱れる原因は様々
- 自律神経を整えるには栄養と運動が重要!
- 屋外で日光に当たるゆるやかな運動がオススメ!
という感じですね。
自律神経失調症を防ぐには、不規則な生活や暴飲暴食を控え、規則正しい生活と十分な栄養と休養を取ることが重要です。
もし今、自律神経のバランスが乱れているなと感じているなら、うつ病にまで発展してしまう前に手を打ちましょう。
原因が日頃の食生活など、栄養面で心当たりがある場合は、サプリメントなどで栄養補給をすることがオススメです。具体的にどんなサプリを飲めば良いのかについては、うつ病の改善には何のサプリメント飲むといい? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で詳しく解説していますので参考にして下さい。