高麗人参は、健康促進効果や集中力向上作用があるとして、漢方薬などに配合されていますよね。近年の研究結果では、高麗人参に含まれている物質が自律神経を整えてくれる作用がある事が分かり、うつ病にも良いのではないかと言われるようになってきました。
もしこれが本当なら、抗うつ剤や安定剤を飲まなくても、高麗人参のサプリを飲めば自律神経が整ってうつ症状が無くなるはずですよね。果たして、高麗人参のサプリを摂取すればうつ症状は改善するのでしょうか。
今回は、高麗人参についてと、高麗人参とうつの関係、分子整合栄養医学の観点からのうつの原因について詳しく解説します。
目次
高麗人参とは?
高麗人参は中国や韓国などの極東が原産で、健康に関連した用途で2,000年以上利用されています。高麗人参は数種類あるニンジンの一種で、「紅参」と「白参」は高麗人参の根を2種類の異なる方法で加工した場合の呼称です。
「紅参」と「白参」の違いは、皮を剥ぎ、根を天日で乾燥させたものを白参(はくじん)。皮を剥がずに湯通ししてから乾燥させたものを紅参(こうじん)といいます。なお、日本薬局方においては、根を蒸したものを紅参としている所もあるそうです。他に、濃い砂糖水に漬け込んでから乾燥させる糖参もあり、白参に分類されています。
伝統中医学では、高麗人参は強壮剤として利用され、エネルギーを補充すると考えられていました。現在、高麗人参は全般的な健康促進、体力増強、集中力向上、免疫機能刺激、老化防止に、また、呼吸器障害、心血管障害、うつ病、不安障害、勃起不全、更年期のほてりなどさまざまな健康障害を軽減するために用いられています。
なぜ、高麗人参がこのような効果を示すのかについては、高麗人参の根に含まれるジンセノシド(またはパナキソシド)が有効成分と考えられています。
高麗人参の効能
高麗人参の主要な有用成分として、ジンセノサイドとよばれる13種のサポニン群があり、この他精油、脂肪油、コリンが含まれています。
これらはストレスによる胃腸虚弱や食欲不振、嘔吐、下痢、病後の回復期、疲労回復、滋養強壮に効能があるとされ、古くから服用されてききました。
高麗人参は、低い血圧を高める作用があるため高血圧の人は控えるべきだと言われてきましたが、ジンセノサイドの一部分には血圧の高い人が高い血圧を降下させる作用があることもわかっており、実際は高血圧症、低血圧症それぞれ体に合わせて調整作用するといわれています。
また、種々のストレスに対しても抵抗力を増す効果があり、自律神経の乱れを整え、生体の防御作用を助けるものと考えられています。
高麗人参のサポニン成分である「ジンセノシド」には、中枢神経系に抑制的に働くRb群(Rb1、Rb2、Rcなど)と、反対に興奮的に働くRg群(Rg1、Rg2、Reなど)があり、外部からのストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めると言われています。
高麗人参のサプリを飲んだらうつは改善する?
上述したように、高麗人参にはストレスを緩和する作用があるとされ、脳の中枢神経に働くジンセノシドが含まれています。
と言うことは、高麗人参のサプリを飲んだら自律神経が整ってうつが治ると思いますよね。ですが、高麗人参によってうつが治ったという具体的な事例や研究結果はまだありません。
以下は、厚生労働省の統合医療情報サイトからの引用になります。
これまでに解明されていること
- ヒトを対象とした朝鮮人参の試験が多数実施されていますが、質の高い試験はほとんどありません。したがって、朝鮮人参の健康促進効果に対する理解には限界があります。
研究で明らかになったこと
- 現在、健康に対する朝鮮人参の有益性を裏付ける決定的なエビデンスは存在しません。
安全性について
- 朝鮮人参を推奨量で短期間使用する場合、多くの人では安全だと考えられます。しかし、長期安全性に関する疑問が生じており、一部の専門家は幼児、小児、妊婦および授乳期の女性に対する朝鮮人参の使用に反対しています。
- 朝鮮人参で最も多い副作用は頭痛、睡眠障害および消化器障害です。
- 朝鮮人参が血糖値や血圧に影響することを示唆するエビデンスが得られています。糖尿病や高血圧の人は、朝鮮人参を使用する前にかかりつけの医療スタッフに相談してください。
- 朝鮮人参と薬物の相互作用のリスクは低いと考えられますが、朝鮮人参が抗凝固剤(抗凝血剤)のワルファリン(クマディン)などの特定の薬物と相互作用を有するかどうかは不明です。薬を服用している人は、朝鮮人参を使用する前にかかりつけの医療スタッフに相談してください。
このように、高麗人参によってうつが治るという決定的な証拠はありません。ですので、うつ病の治療を目的に高麗人参のサプリを服用しても、効果は限定的と考えて良いと思います。
ただ、脳の中枢神経に作用する成分が含まれているのは事実ですので、多少は自律神経の安定に役立つかもしれません。高麗人参は古くから滋養強壮として親しまれてきたものですので、うつぬきやがオススメしている分子整合栄養医学からのアプローチに加え、ストレスケアとして高麗人参のサプリを飲むのはアリだと思いますよ。
うつの原因は、ストレスだけではない!
高麗人参がうつに効くと紹介しているサイトの多くは、「うつ病の原因はストレスからくる自律神経失調症」という見方で解説されています。
そして、高麗人参を摂取すれば、自律神経が整ってストレス耐性をあげてくれるとし、漢方や商品を紹介しているケースが多々見受けられます。
たしかに、うつ病の引き金となるのは、過度なストレス環境というのは間違いありません。でも、よく考えてみて下さい。
うつ病になるほどのストレスを受けているなら、まずその環境を何とかしない限り、ストレスを受け続けることになりますよね?
このストレスに対し、高麗人参のサプリを飲んだらストレスがなくなるのでしょうか?そんなはずありませんよね。
ですので、高麗人参のサプリを摂取するというのは、根本的な解決にはなりません。
他にも、うつ病の原因は「質的栄養失調」があげられます。つまり、うつ病はストレスから来る自律神経失調症以外にも、様々な原因があるのです。
分子整合栄養医学の観点からみたうつの原因
一般的には、うつ病の原因はセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの「モノアミン分泌不足」と言われていますが、うつけしごはんやマンガでわかる 食べてうつぬけ 鉄欠乏女子救出ガイドなどの書籍の登場により、うつ病の原因は、タンパク質不足や鉄欠乏性貧血が原因という見方が強まってきました。
この他、以下のような原因からもうつ症状が現れることが分かっています。
- 質的な栄養失調
- ストレスによる腸内環境の悪化
- 鉄分不足
- 薬の副作用
- ピロリ菌の感染
- 腸カンジダの感染
- 糖質の取り過ぎ(糖尿病、血糖調節障害)
- 腸の不調
- 脳の慢性炎症
- ホルモン障害
- 更年期障害とPMS(月経前症候群)
- アジソン病、クッシング症候群、ストレスによる副腎疲労
- 甲状腺機能障害
- 認知症(アルツハイマー)
- 妊娠、産後うつ
これは、脳の神経伝達物質の分泌不足に限らず、質的な栄養失調であったり、ホルモンバランスの乱れであったり、細菌に感染していたりするなど、多岐にわたります。
ですので、自律神経失調症がうつ病の原因と言うよりは、様々な原因が組み合わさって自律神経失調症とうつ症状が発病してしまうのです。
つまり、高麗人参のサプリで自律神経を表面だけ整えようとしていても、タンパク質不足や鉄不足などでホルモンバランスが崩れていたら、高麗人参のサプリ程度ではどうにもなりませんよね。
うつを根本から治すには、これらの原因を理解し、必要な栄養素を補給してあげる必要があるのです。
これらうつ症状の具体的な原因については、うつ病が発症する原因とは? メカニズムと要因を解説で詳しく解説していますので参考にして下さい。
どうやって自律神経を整えれば良いの?
自律神経のバランスが崩れたり、うつ症状になる原因は様々ですが、共通して言えることは「栄養状態が悪化することによる身体的不調」と「慢性的なストレス環境」にあります。
ですので、対策としては日頃から十分な栄養を摂取することと、適度な運動によるストレス発散が効果的です。
日頃から十分な栄養を摂る
自律神経やうつ症状は、「根性」や「忍耐」などでどうにかなるものではありません。脳の神経伝達物質の分泌が低下していたり、ホルモンバランスが乱れていたりと、「物質的な原因」が存在します。
ですので、これらの分泌を整える「栄養」が重要になります。
自律神経を整える栄養素としては、タンパク質に加え、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなどが欠かせません。普段から肉や魚などのタンパク質と野菜を多く摂るように心がけましょう。
また、自律神経のバランスを崩してしまう糖質、炭水化物の摂取しすぎは注意が必要です。これらは血糖値の乱高下(スパイク)を引き起こし、血糖値を正常に整えるために交感神経を刺激するホルモンが大量に分泌されます。
せっかく栄養を補給しても、これらホルモンの合成に栄養が使われてしまいますので、糖質や炭水化物はなるべく摂取しないように心がけましょう。
適度な運動を心がける
自律神経を整えるには、適度な運動も効果的です。運動をする場合は、屋内よりも屋外の日に当たるような運動をするのがオススメです。
日光を浴びる事によって、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するのに役立ちます。
この他、肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんに対する予防効果があることもわかってきました。このため、ビタミンDは免疫力の向上に役立つことが期待されています。
ビタミンDが不足すると、「冬期うつ」と呼ばれるうつ症状が発症することから、自律神経やうつ症状と深い関わりがあるとされています。
また、運動するときは激しい有酸素運動は避けた方が良いでしょう。最初は、ウォーキングや、ゆっくりした短距離のジョギングで良いと思います。また、プールに行って、水中ウォーキングなども良いかもしれません。
運動は睡眠の質を向上させる効果があるので、運動習慣のある人は寝付きが良い、睡眠時間が長い、深い睡眠が多い、夜の途中で目を覚ます中途覚醒が少ない、などの良質の睡眠をとっていることが知られています。運動により睡眠の質が向上すれば、これがさらに日中の気分の向上を作るということも言えるでしょう。
睡眠不足は自律神経の乱れやうつ症状と深い関係がありますので、日頃から適度な運動をして質の良い睡眠を取ることが重要です。
漢方と(東洋医学)と分子整合栄養医学を組み合わせるのがオススメ
上述した栄養の補給は、脳の神経伝達物質の材料を補給したり、ホルモンの材料を補給するだけで、速効性があるわけではありません。
ですので、ストレスを感じているなら、高麗人参などの自律神経を整えてくれる漢方と栄養療法を組み合わせるのがオススメです。
栄養療法と漢方を組み合わせて、ストレスに強い体作りを目指しましょう。以下は、オススメのサプリの紹介です。
高麗人参サプリ
うつぬきやではiHarbのサプリをオススメしています!
うつぬきやではアメリカのサプリ販売サイトであるiHarb(アイハーブ)をオススメしています。
英語で書かれているサイトなので、初めてアクセスした方は「怪しい」とか「詐欺サイト」などと感じることもあるかもしれません。
日本で様々なサプリメントが販売されているのに、わざわざアメリカのサプリメントをオススメするって、おかしいと思いますよね。
でも、これには理由があります。
この理由についてや、iHarbの安全性、購入方法などの詳しい方法については、ここでお話しすると長くなってしまうので、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にして下さい。
また、どうしても日本で販売されているサプリがいい!という方は、DHCのサプリで代用する方法もあります。詳しくは、DHCのサプリでうつは改善できる? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で解説していますので参考にしてみて下さい。
タンパク質とビタミン、ミネラルの補給も同時に
上述したように、うつの原因の1つに「質的栄養失調」があります。現代の食生活は、パンやうどん、ラーメンや白米などの炭水化物に偏りがちです。
お腹いっぱい食べているにも関わらず、タンパク質やビタミン、ミネラル等の必要な栄養素が十分に摂取出来ていないと、「質的栄養失調」になってしまいます。
これを改善するには、十分な量のタンパク質と、タンパク質を分解、合成するために必要なビタミン、ミネラルを同時に摂取しなければなりません。
そこでオススメなのが、「プロテイン」です。
特に不足しがちなタンパク質をサプリメントで摂りたいときは、プロテインになります。プロテインと言えばボディービルダーやアスリートなどが飲むイメージがありますが、運動していない人も飲んで大丈夫です。
プロテインについての説明をすると長くなってしまうので、ここではシンプルにオススメのプロテインを1つだけ紹介します。実際は日替わりで様々な種類のタンパク質を摂取するのがオススメです。
私達の腸は、同じ種類のタンパク質を何度も摂取すると、腸に炎症が起きてしまい、消化吸収能力が落ちてしまうことが分かっています。
ですので、出来ればプロテインだけに頼らずに、牛、豚、鳥、魚、卵など様々なタンパク質をローテーションして食べることをオススメします。
また、プロテインを飲むときは同じ種類のプロテインを飲み続けるのではなく、3日おきに違う種類のプロテインに変えるのが望ましいです。
その中でも、「人工甘味料入っていないもの」「ホエイまたはソイプロテイン」がオススメです。
プロテインになれていないうちは、無味無臭のホエイプロテインは飲みにくいと思いますので、ソイプロテインから始めるのがオススメです。豆乳のような味わいで飲みやすいのがメリットです。
では、実際にどのプロテインを飲んだらいいのかについてですが、うつぬきやではiHarbのソイプロテインをオススメしています。
ソイプロテインを5%OFFで購入する!
プロテインを飲むのに慣れてきたら、ホエイなどをローテーションして飲むようにしましょう。ホエイやソイプロテインについて詳しくは、プロテインはうつ病に効果的? 分子栄養医学の観点からオススメのプロテインを紹介!で詳しく解説していますので参考にして下さい。
ビタミンとミネラルも同時に摂取しよう
上述したように、タンパク質の有効活用には、ビタミンB群やミネラル等が欠かせません。
ビタミンB群とはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。日本ではビタミンB群と呼ばれていますが、海外ではビタミンB COMPLEX(複合体)と呼ばれています。
これらは単独では作用せず、複合で作用するため、全てのビタミンB群をまんべんなく摂取する必要があります。
ビタミンやミネラルは、タンパク質の分解とアミノ酸の組み替えに重要な補酵素として働くので、これらの栄養素を補給しないままタンパク質だけを大量にとっても、有効利用出来ずに排泄されてしまいます。
ですので、プロテインを摂取するときは、マルチビタミンとミネラルのサプリに加え、不足しがちなビタミンB群を多めに摂取するようにしましょう。
管理人が飲んでいるオススメビタミン・ミネラルサプリは以下で購入することが出来ます。
高麗人参のサプリを飲めばうつ病は改善する? 高麗人参の効果と、うつの関係を分子整合栄養医学の観点から徹底解説!まとめ
以上が、高麗人参についてと、高麗人参とうつの関係、分子整合栄養医学の観点でのうつの原因でした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- 高麗人参は脳の中枢神経に作用するジンセノシドが含まれている
- ジンセノシドは自律神経を整えてくれる作用があると言われている
- しかし、高麗人参の具体的な効果については証拠が少ない
- うつの原因は、自律神経失調症以外にも様々
- 質的栄養失調がうつ症状と深い関係がある
- 質的栄養失調の改善は、タンパク質とビタミンミネラルが重要
- 栄養補給と漢方を組み合わせるのがオススメ
という感じになります。
高麗人参は古くから滋養強壮として親しまれているので、全く効果がないとは言えません。栄養補給と同時に高麗人参のサプリを摂取していくのもアリだと思います。
ただ、高麗人参には睡眠障害や消化器障害の副作用が報告されていますので、サプリの摂取には注意して下さい。
うつ症状の改善には、分子整合栄養医学に基づく栄養補給が最も効果があると思いますよ。実際にうつぬきやの管理人は、分子整合栄養医学に基づく栄養補給によって、たった6ヶ月という短期間でうつヌケすることが出来ました。
詳しいうつヌケの方法は、下記の「うつぬき完全攻略マニュアル」で紹介していますので、よろしければ参考にしてみて下さいね。今なら、無料でプレゼントしています。