うつ病の治療を長く続けていると、薬が効かなくなってきたり、副作用が重くなってきて、一向に良くならないという経験はありませんか?
実際、うつぬきやの管理人も、10年間うつ病で苦しんでいた時は、どんどん薬が増える割に全く薬が効かず、うつで苦しいのか副作用で苦しいのか分からないほど辛い時期がありました。
薬が効かないなら、サプリメントで治る方法が無いかと思いますよね。
他にも、まだ病院でうつ病と診断されていない、「うつ病かも?」と思われる症状の方も、精神薬依存の危険性を聞いているなら、サプリメントで治したいと思うかもしれません。
そこで今回は、うつ病の原因と、分子栄養医学の観点からうつ病に有効とされている栄養素のサプリメントをご紹介します。
目次
うつ病に効くと言われているサプリは?
心の不調に効果が期待されているサプリとして、セントジョーンズワートやリラクミンなどがありますよね。これらのサプリは、リラックス効果は期待できるかもしれませんが、治療としては確立されていません。
うつぬきやの管理人がうつで苦しんでいた初期は、セントジョーンズワートを飲んでいましたが、効き目は感じられませんでした。
その後は心療内科で薬物治療をしていましたが、一向に良くならず、むしろうつ症状と精神薬の副作用が酷くなって動けない日々が続きました。
それでも何とか治す方法をと、ネットで情報収集しているうちに「うつ病は腸から来る不調では?」と感じ始め、オーソモレキュラー療法という分子栄養医学にたどり着きました。
オーソモレキュラー療法は、心の不調は脳の栄養失調が原因とし、脳に必要な栄養の摂取をする事で、自律神経の安定と本来持っている免疫力を高め、心の不調を治す治療法です。
現在は、勉強した内容を元に、独自で栄養療法を行い、見事うつヌケしています。ですので、心の不調は脳の栄養失調からくるというのは身をもって体感しています。
なぜ、脳の栄養失調が心の不調に現れるのでしょうか? サプリメントを紹介する前に、うつ症状の原因について軽く触れておきます。
心の不調は脳の栄養失調が原因
うつ病は「心の風邪」や「怠け病」と言われていますが、実際にはどのような病気なのでしょうか。
実は、心の不調は脳の神経伝達物質の分泌量低下で起こります。神経伝達物質の分泌量が低下すると、自律神経が乱れ、心身の不調が起こるのです。
自律神経は、上図のように交感神経と副交感神経がシーソーのような関係になっています。
真ん中の支点には調整系の神経細胞があり、左右の興奮系と抑制系の神経細胞を重しを支えてバランスを取っています。それぞれ分泌される神経伝達物質が適量であればバランスが取れていて水平を保ちます。このバランスが釣り合っているときが最も調子が良く、精神状態が安定するときです。
このバランスが崩れると、悲しみや怒り、イライラや不安などの感情が湧き起こってきます。
興奮系の神経伝達物質は、ノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、グルタミン酸などがあり、抑制系はGABAが大半を占めます。この2つのバランスを調整するのがセロトニンという神経伝達物質です。
これらの原材料はタンパク質を分解して出来たアミノ酸です。ですので、タンパク質こそが、脳の栄養素なのです。
タンパク質は脳に欠かせない原材料
脳の栄養素として有名なのは「ブドウ糖」や「DHA・EPA」というイメージが強いのでは無いでしょうか?
ブドウ糖は糖質、DHA・EPAは脂質になります。これらも確かに脳にとって重要な栄養素です。しかし、脳は神経伝達物質のやりとりで機能しています。この神経伝達物質の材料こそがアミノ酸であり、タンパク質なのです。
タンパク質を摂取すると、体内でアミノ酸に分解されます。脳神経伝達物質で重要なのは、「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸です。
このアミノ酸は、ビタミンやミネラルを元に、神経伝達物質である「ドーパミン」や「セロトニン」、「GABA」に合成され、消費されていきます。
表の中で特に注目して欲しいのが、L-グルタミン酸からGABAへの合成です。グルタミン酸は興奮系の神経伝達物質として働きますが、分泌量が多くなるとビタミンB6等を利用して抑制系のGABAへと変換されます。
こうやって脳内の神経伝達物質はバランスを取っているのですが、ビタミンB6が足りないと上手く変換できなくなり、バランスが崩れてしまいます。これが自律神経が乱れる原因となり、しいてはうつ症状がおこるのです。
自律神経を整えるには、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質の摂取と、十分なビタミン、ミネラルの摂取が非常に重要です。
タンパク質は、鳥、豚、牛などの肉や魚、卵、大豆を食べることで摂取することが出来ます。しかし、うつで食欲が無い状態で十分な食事を食べることは難しいですよね。
そこで、タンパク質の補給源としてプロテインを摂取することをオススメしています。
プロテインには、ホエイやソイなど様々な種類がありますが、どのプロテインが良いのかについては、プロテインはうつ病に効果的? 分子栄養医学の観点からオススメのプロテインを紹介!で詳しく解説していますので参考にして下さい。
プロテインはビタミンとミネラルを摂取しないと効果無し
タンパク質の分解、吸収にはビタミンB群とカルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが欠かせません。
ビタミンB群とはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。日本ではビタミンB群と呼ばれていますが、海外ではビタミンB COMPLEX(複合体)と呼ばれています。
これらは単独では作用せず、複合で作用するため、全てのビタミンB群をまんべんなく摂取する必要があります。
ビタミンやミネラルは、タンパク質の分解とアミノ酸の組み替えに重要な補酵素として働くので、これらの栄養素を補給しないままタンパク質だけを大量にとっても、分解吸収されずに排泄されてしまいます。
ですので、プロテインを摂取するときは、マルチビタミンとミネラルのサプリに加え、不足しがちなビタミンB群を多めに摂取するようにしましょう。
管理人が飲んでいるオススメビタミン・ミネラルサプリは以下で購入することが出来ます。
うつぬきやではiHarbのサプリをオススメしています!
後で詳しくお話ししますが、うつぬきやではアメリカのサプリ販売サイトであるiHarb(アイハーブ)をオススメしています。
英語で書かれているサイトなので、初めてアクセスした方は「怪しい」とか「詐欺サイト」などと感じることもあるかもしれません。
日本で様々なサプリメントが販売されているのに、わざわざアメリカのサプリメントをオススメするって、おかしいと思いますよね。
でも、これには理由があります。
この理由についてや、iHarbの安全性、購入方法などの詳しい方法については、ここでお話しすると長くなってしまうので、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にして下さい。
また、どうしても日本で販売されているサプリがいい!という方は、DHCのサプリで代用する方法もあります。詳しくは、DHCのサプリでうつは改善できる? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で解説していますので参考にしてみて下さい。
プロテインが苦手な方は?
プロテインが心の病気に効果的と分かっていても、あのドロドロ感や独特の臭いがニガテ・・・という方は多いと思います。
カウンセリングをしていると、プロテインがどうしても飲めない方や、体に合わない方、甲状腺や肝臓、腎臓の病気などでプロテインの摂取が出来ないという方が少なからずいらっしゃいます。
このような方にオススメするのが、「アミノ酸」のサプリです。
アミノ酸は、上述したようにタンパク質を分解して出来た物です。本来であれば、摂取したタンパク質を、ビタミンやミネラルで分解して吸収しますが、アミノ酸を摂取すればこれらの過程をすっ飛ばして吸収することが可能です。
日本人はもともと消化酵素が少なく、タンパク質を摂取しても上手く消化吸収できない人が多いと言われています。これに加えて腸が弱っている状態ですので、プロテインから始める前にアミノ酸から始めて調子が良くなってからプロテインに移行するのがいいかなと思っています。
ただ、プロテインと比べると、アミノ酸サプリだけでは全体量が少なく、日々の必要量には到底足りません。アミノ酸サプリに加え、日々の食生活で肉や魚などのタンパク質を摂取することを心がけるようにしましょう。
うつぬきやのカウンセリングでも、最初はアミノ酸サプリからスタートし、調子が良くなってからプロテインに移行する方もいらっしゃいます。無理なく続けられることが重要ですので、「プロテインを毎日飲めるか不安」という方も、アミノ酸サプリから始めてみることをオススメします。
ATPセット
ATPセットとは、体内のエネルギー貯蔵や共有をするATP生成を促すサプリメントをセットにしたものです。
ATP(adenoshin tri-phosphate)とは、「アデノシン三リン酸」という、アデノシンという成分に3つのリン酸が結合した物質です。生体内のエネルギーを貯蔵したり、供給したり、運搬を仲介したりする、とても重要な物質で、生きるための「エネルギー通貨」とも呼ばれます。
(『うつ消しごはん』105ページより)
ATPは、呼吸や思考、消化吸収や各種ホルモンを合成する時にも必要です。自然界では、ホタルの発光、デンキウナギの発電など、無数の仕事がATPのエネルギーを利用して行われています。このように、ATPのエネルギーは他の形のエネルギーに自在に変換されて使われています。
また、タンパク質合成の場合も、道筋はかなり複雑ですが、アミノ酸をエネルギーの高い状態にするためにATPが必要です
つまり、ATPが十分にある=元気に過ごせる、ATP不足=慢性疾患などの病気を発症してしまうということになりますので、ATPが十分に作られるよう、必要な栄養素は積極的に摂取しましょう。
ATPセットは、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、鉄のサプリの事を指します。具体的な含有量や服用回数、タイミングは以下のような物です。
標準量;
ビタミンB50:2錠、朝夕。
ビタミンC1000:3錠、朝昼夕。
ビタミンE400:1~2錠、朝。(天然ビタミンEを選ぶ)
キレート鉄(フェロケル)36mg×2~3、もしくは27mg×3~4。夜に摂取。
メガ量;
ビタミンB50、3~6錠、朝昼夕。
ビタミンC1000、9~12錠、朝昼夕(腸耐性用量の2/3程度)。
ビタミンE400、3~5錠、朝。(天然ビタミンEを選ぶ)
キレート鉄(フェロケル)36mg×2~3、もしくは27mg×3~4。夜に摂取。
※鉄とEは同時に摂取してはいけません。Eは朝、鉄は夕というように時間をずらして服用して下さい。男性の場合は鉄を外した3点セットでよいでしょう。
独自判断でのメガビタミンは非推奨!
過剰摂取によって健康が促進されたり、疾病が治る訳ではありません。自身に足りているにもかかわらず、これらのサプリを過剰に摂取し続けると、腎不全や肝機能障害を引き起こす危険性があります。
特に鉄の過剰摂取は危険です。定期的に血液検査をし、フェリチン値が正常範囲以上に上昇していないかを必ず確認しましょう。(フェリチンについては鉄サプリで後述します)
フェリチン値が正常範囲になれば、あとはヘム鉄に切り替えて摂取すれば、過剰摂取を防ぐことが出来ます。(フェリチン値の正常範囲は80〜300mg/mlと幅広く、個人差があります。)
キレート鉄は吸収をあげるためにアミノ酸で鉄を挟み込む加工がされています。このため、小腸の粘膜にある正規の鉄吸収ルートを通らず、アミノ酸などが吸収される経路で吸収されているようです。
つまり、鉄が吸収される本来のルートを通らずに体内に吸収されてしまうため、鉄が飽和しても吸収を抑制する調節が出来ず、鉄の過剰状態となりかねません。
逆にヘム鉄では本来の鉄吸収ルートで吸収が調節されるので、フェリチンが一定の値以上になると飽和されて吸収されなくなります。
鉄不足の解消やATPを促したいからと、吸収のよいキレート鉄を多量に摂取し続けるのは深刻な鉄の過剰症となりかねませんので、注意して下さい。
鉄分(キレート・ヘム)女性のみ
鉄分は、血液を作る重要な栄養素として知られています。これ以外にも、上述したタンパク質からアミノ酸の分解過程の図を見ても分かるとおり、L-フェニルアラニンやL-チロシン、L-トリプトファンに分解する過程において必要な栄養素です。
鉄分が不足すると、アミノ酸が上手く作られず、自律神経が乱れて様々な精神症状が出てくることはお分かり頂けると思います。
女性は月経がある上、出産によって大量の鉄分を消費します。常に鉄不足だと思って頂いて良いでしょう。鉄不足はヘモグロビンの値だけで無く、貯蔵鉄であるフェリチンの値で判断することが重要です。フェリチンは、内部に鉄を貯蔵することが出来るタンパク質で、鉄不足などに備えています。
鉄には吸収されやすいヘム鉄と、吸収されにくい非ヘム鉄があります。ヘム鉄は主にレバーや肉などの動物性の鉄分で、非ヘム鉄はプルーンやほうれん草など植物に含まれている鉄分です。
この吸収されやすいヘム鉄と、アミノ酸で鉄を挟んで吸収しやすくしたキレート鉄をバランスよく配合したのが写真のサプリです。毎日夜に一錠飲むと効果的です。(ATPセットで鉄を摂取する場合はどちらか一方にして下さい。また、ビタミンEと同時に摂取しないで下さい。)
鉄サプリは悪玉菌の栄養にもなるので、ピロリ菌や腸カンジタなどに感染していると、更に菌が増殖して腸内環境が悪くなってしまう可能性があります。これらの菌や腸内環境の悪化はうつ症状を引き起こすので、鉄サプリを飲んで症状が悪化する場合は、菌に感染していないかを病院で検査を受けて下さい。
ナイアシンアミド
ナイアシンは、かつてビタミンB3と呼ばれていた栄養素です。
オーソモレキュラー療法で使われた例としては、生物学者のホッファーが行った、統合失調症とナイアシン欠乏の関係性についてです。
ホッファーは、ナイアシンの欠乏で起こるペラグラが進行すると幻覚や幻聴を訴えることに注目し、同様の症状である統合失調症にも至適量のナイアシンとビタミンCを中心とした栄養素の補充を行いました。
結果は、統合失調症の患者さんにも効果があったことを示し、二重盲検という方法で有効性を証明しました。
上図のタンパク質から神経伝達物質の合成経路をみても分かるように、上流に位置する全ての反応には、ナイアシンが補酵素で必要です。
この合成経路を考慮すると、統合失調症だけで無く、あらゆる精神症状改善のためにナイアシンの補正は基本となります。
特にお酒を分解するにもナイアシンが必要になるので、飲酒をしている方はナイアシンも一緒に補給しましょう。
ナイアシンサプリには3種類あり、ナイアシン、フラッシュフリーナイアシン、ナイアシンアミドがあります。基本的にはナイアシンアミドがオススメです。
ナイアシンは、血管拡張作用作用や、体内に貯まったヒスタミンを放出する作用があるので、1日100mg以上の摂取で皮膚が赤くなったり、ヒリヒリしたり、痒みが出る場合があります。症状が出ても、数時間で落ち着くことが多いようです。
このナイアシンによる副作用を、国内外問わず「ナイアシンフラッシュ」と呼びます。
このナイアシンフラッシュが起きにくくしたサプリメントが「フラッシュフリーナイアシン」で、同じくナイアシンアミドもナイアシンフラッシュが置きにくいナイアシンです。
ナイアシンフラッシュは独特の感覚を引き起こすため、故意にナイアシンを飲む方もいるようですが、一般人には不快極まりない症状ですので、あえて体験したり我慢しながら飲む必要はありません。ナイアシンアミドでも十分効果があります。
ですので、特別な理由が無い限りはナイアシンフラッシュが置きにくいナイアシンアミドがオススメです。一日500mgを服用するのが目安です。
ナイアシンアミドは1日3000mg以上の摂取で肝障害の可能性があるので注意して下さい。また、高容量では血糖値や尿酸値を上昇させる恐れがあるので、糖尿病と痛風の方は注意が必要です。
ビタミンD
ビタミンDは、これまでカルシウムや骨の代謝に不可欠な栄養素として知られていました。近年ではこれ以外にも多くの効用がある事が様々な研究によって明らかになっています。
その1つが、冬期うつなどの季節性情動障害です。これは、日照時間が少なくなる冬にうつ症状が増えてくることに関係しています。
ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で合成することが出来る栄養素です。しかし、冬は紫外線が強くないために、皮膚でビタミンDを合成できなくなります。日焼けサロンなどで紫外線を浴びるとうつ症状が治る人たちがいることが分かったため、冬期うつとビタミンDの関連が報告されるようになりました。
ビタミンDは、魚の内臓に多く含まれているため、サンマやイワシ、シシャモ、しらすなどを内臓ごと食べるのがオススメです。しかし、食事だけで必要量を補うのは難しいので、サプリメントで確実に補っていきましょう。
βグルカン
βグルカン(ベータグルカン)は、主に舞茸に含まれる食物繊維の一種です。βグルカンには、食後の血糖値急上昇(血糖値スパイク)を抑える働きがあります。
血糖値スパイクとは、空腹時の血糖値は正常でも、食後の短時間だけ血糖値が急上昇する現象のことです。
この血糖値スパイクが糖尿病だけでなく、心筋梗塞やがん、認知症、老化を促進する酸化ストレスなど様々な病気や不調と関係していることが分かってきました。これだけでなく、うつ、不眠、イライラ、過食、動悸、発汗、めまい、頭痛や心の不調にも関係しています。
血糖値スパイクが起こると、血糖を下げるために大量のインスリンが分泌されます。これによって今度は血糖値が下がりすぎる現象が起きます。低血糖は命に関わる危険性があるので、体は血糖をあげるためのホルモン(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール)を大量に分泌します。
このホルモンの材料は、アミノ酸、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウム、コレステロールです。つまり、血糖値スパイクが起こるとこれらのホルモンを大量に合成しなくてはならなくなり、栄養がどんどん使われてしまいます。
この結果、脳に必要な神経伝達物質の合成が滞り、自律神経が乱れ、うつやパニックなどを引き起こすのです。
血糖値スパイクを防ぐには、普段の食事内容を低糖質、高タンパク、高脂質に変えていくことが必要ですが、急に食生活を変えるのはなかなか難しいものです。
そこで、無理なく食習慣を変えていくために、βグルカンを摂取しつつ、少しずつ食生活を変えていけば、血糖値スパイクを抑えながら食生活の改善を心がけることが出来ます。朝、昼、晩の食前30分前に服用すると効果的です。
※低血糖の方が摂取すると、βグルカンが糖の吸収を阻害するために命に関わる危険性があります。事前に関連する疾病が無いかどうかを医療機関にて受診し、医師の指示を仰ぐようにして下さい。
DHA・EPA
DHA・EPAは、フィッシュオイルとも呼ばれ、アジやサバ、サンマなどの青魚に多く含まれている油です。
フィッシュオイルはオメガ3脂肪酸で出来ており、他にも、アマニ油、エゴマ油、シソ油などもαリノレン酸を含み、これらはDHAに変換されて利用されます。
脳を構成している栄養素のおよそ4割はタンパク質、6割は脂質で出来ています。脳を作る上で必要な脂質のうち、25%を占めるのがDHAです。
脳の必須栄養素であるオメガ3脂肪酸が不足すると、様々な精神症状が現れます。例えば、「産後うつ」の原因の1つがオメガ3脂肪酸の減少です。
母乳には沢山の脂肪分とDHAが含まれており、授乳すると沢山のDHAが体の外に出てしまいます。適切に補給しないと、お母さんの体内ではDHAが不足します。これが原因でうつ状態が起こってしまうのです。
また、オメガ3脂肪酸は、抗炎症作用があるとして注目されています。オーソモレキュラー療法では、脳の炎症がうつと深く関わっているのではという推測のもと、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸を多く取ることをオススメしています。
これとは逆に、リノール酸、ベニバナ油、コーン油、大豆油などに含まれているのはオメガ6脂肪酸で、代謝産物に炎症を促進する作用があります。
どちらの脂肪酸も細胞膜に取り込まれる部位が同じなので、細胞膜に入り込もうとせめぎ合っています。これら脂肪酸を食事から摂取した比率がそのまま体内の比率になってしまうため、意識的にオメガ3脂肪酸を取る必要があります。
同時に、オメガ6脂肪酸を避ける工夫も必要です。スーパーのお惣菜や外食、加工品などは、必ずといってもいいほど使われています。現代人は想像以上に炎症を促進する油を摂取している傾向があるのです。
だからといって、全てのオメガ6脂肪酸を抜くと、オメガ3脂肪酸の働きが悪くなることが分かっています。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想的な摂取比率は、4:1といわれています。
積極的に摂取したいオメガ3脂肪酸は、アジやサバ、サンマなどの青魚に含まれています。毎日焼いて食べるのは大変なので、朝食をサバ缶に置き換える事をオススメしています。
それでも毎日サバ缶ばかり食べるのは飽きてしまって続かなくなるので、足りない分はサプリメントで補給しましょう。
GABA
GABAは、抑制系に働く大部分を担う神経伝達物質で、興奮を静めたりリラックスをもたらす役割を果たしています。とはいえ、GABAをサプリや食品から摂取しても、脳関門を通り抜けられないので、神経伝達物質としては作用しません。
しかし、最近ではGABAを摂取することで、寝付きや安眠など、睡眠の質に深く関わっていると言うことが研究結果で分かっています。
GABAストレス研究センターは、日常的なストレスを軽減し、脳を落ち着いた状態にする効果があるGABA(γ-アミノ酪酸)の人体に対する効果の検証の一貫として、日中に摂取したGABAが同日夜の睡眠にどう影響を与えるか新たな実験を行いました。
その結果、就寝前に限らず、昼間に一度ストレスをリセットすることで通常より早く、深い眠りが得られることが判明。これにより、新しい商品への使用などが加速されることが期待されます。
うつ症状がある方のカウンセリングをしていると、およそ高確率で「睡眠薬を飲んでいても眠れない」という方がいます。
睡眠薬の中には、GABAの働きを促して脳の活動を休ませて眠りへと導く「GABA受容体作動薬」などがありますが、これらを合わせて3~4錠も多剤併用しているにも関わらず、眠れないというのです。
本来は主治医に相談すべき事ですが、恐らく主治医に相談しても薬を増やされるだけで何の解決にもならい場合が多いでしょう。
質的な栄養失調の観点から考えると、もはや薬でもGABAをひねり出せないほど栄養が枯渇している状態と考えられ、このような方にはGABAをピンポイントで摂取してもらうようアドバイスすることがあります。
GABA単品を摂取するというのはオーソモレキュラー療法の考え方ではないのですが、眠れないというのは辛く苦しい状態で、睡眠の質は健康そのものに関わってきます。栄養状態が改善するまでこの状態を耐えるのは酷ですので、改善できる可能性があるなら行っていきましょう。
まずは、ある程度の栄養が改善するまでは昼または寝る前にGABAのサプリを補給するなどして睡眠の改善を図り、睡眠が取れるようになってきたらプロテインなどの食事からGABAを体内で合成できるように努めてください。GABAが多く含まれているキムチなどを夕食に摂取するのも効果的です。
何度も申し上げますが、GABAをサプリで摂取しても脳神経伝達物質としては使われません。摂取すると、ストレス耐性や安眠に効果があるという程度です。食生活が改善したらサプリから摂取する必要はありません。早々に服用を中止しましょう。
※GABAのサプリメントを摂取すると、脳みそをこちょこちょされているような、なんとも言えない不快感と皮膚のかゆみが表れることがあります。その場合は量が多すぎますので、いったん中止して様子を見て下さい。
食物繊維・乳酸菌
脳に必要な栄養素を送る上で、消化吸収を担う腸の調子を整えることは非常に重要です。食物繊維は、5代栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)の次に必要な第六の栄養素と言われています。
食物繊維がうつ病に関係しているとはあまり思えないかもしれませんが、脳腸相間といって、腸と脳の調子が密接に関係していることがわかっています。
例えば、脳がストレスを受けるとお腹が痛くなったり、逆に腸内環境が悪くなると脳の調子も悪くなり、精神症状が現れるという研究結果が出ています。
これは、神経伝達物質のニューロンや神経伝達物質のほとんどが腸内で作られている事から、腸内環境が悪くなると、これらの機能が衰え、脳の働きが悪くなってしまうのです。
最近では、うつ病と食物繊維の摂取量の相関関係も明らかになってきました。食物繊維の摂取量が減少するのに伴って、うつ病患者が増えているそうです。これらの方はひどい便秘に悩むなど、腸内環境が悪化していることが共通しています。
普段の食事で食物繊維や善玉菌を摂取出来ればいいのですが、うつ症状で食欲が無いのにバランスの良い食事をするのはなかなか難しいですよね。
そのような方は、サプリで食物繊維と乳酸菌の補給がオススメです。腸内では、菌の助けによって消化吸収されているため、この菌のバランスによっても栄養素の吸収率が違ってきます。消化吸収の妨げとなる悪玉菌を減らし、助けとなる善玉菌を増やすことが重要です。
食物繊維サプリの飲み方は、小さじ一杯をプロテインに混ぜて飲むのが手軽です。この他、水やジュース、豆乳や牛乳に混ぜて飲んでも構いません。
乳酸菌サプリは、お腹の調子が悪くなったときに、食後に一カプセルを服用します。食事が満足に食べられるようになってきたら、発酵食品などの普段の食事から摂取するように努めましょう。
ファイトケミカル(フィトケミカル)
ファイトケミカルは、植物が自分自身を守るために作り出した成分の総称です。
野菜や果物の皮に多く含まれており、例えばトマトに含まれるリコピンや、大豆に多く含まれるイソフラボン、お茶に含まれるカテキン、ブドウに含まれるレスベラトロール、ナスにしか含まれていないナスニンなどがこれにあたります。
ファイトケミカルはまだ未解明な部分も多いのですが、抗酸化作用、デトックス作用、免疫力向上に優れていると言われ、近年注目を集めている栄養素です。
6大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)に加え、第七の栄養素と言われています。
ファイトケミカルは、MEC食をしている場合に特に欠乏しやすい栄養素になります。MEC食とは、MEET、Egg、CHEESEから取った頭文字であり、その名の通り肉と卵とチーズしか食べないという食事法です。
MEC食をしている方や糖尿病を患っている方は糖質を避けるために野菜や果物を意識的に排除しますので、ファイトケミカルが摂取出来ません。また、野菜嫌いなどのひどい偏食の場合もこれらの栄養を摂取出来ていません。
本来ならば食事から摂取すべき栄養素ですが、このような理由がある方は、サプリメントで摂取することをオススメします。
サプリメントには、合成ビタミンと天然ビタミンがあり、安価で販売されているサプリメントの多くは、トウモロコシなどを原料に、遺伝子組み換えした微生物によって合成させた合成ビタミンです。
逆に、野菜や果物を原料に、含まれている栄養素をギュッと詰め込んだサプリメントは天然ビタミン、ミネラルが含まれています。
ファイトケミカルが含まれているサプリメントは、野菜や果物をまるごとすりつぶして製造する方法なので、コストが高く手間がかかります。このような製法で作られたサプリメントは数少なく、他のサプリメントと比べて高品質で高価格です。
ファイトケミカルが含まれているサプリメントは、アムウェイのニュートリライト トリプルXがオススメです。21種類の原料植物に含まれる豊富なファイトケミカルや、ニュートリライト独自のファイトケミカルの複合体「ファイトプロテクト」、天然のビタミン、ミネラルが補給できます。
アムウェイはマルチビジネスの会社ですが、サプリを飲むだけならビジネスに加入する必要はありません。以下で紹介しているような安いところから購入しましょう。
水素
水素は、強力な活性酸素除去力を持つ抗酸化サプリです。血液中の活性酸素と結びつき、無害な水に変えてくれます。
活性酸素とは、他の物質を酸化させる力の強い酸素の事です。体の中にあるDNAやたんぱく質、脂質、糖質を変質させて老化を促進させる原因になります。
脳もタンパク質や脂質で出来ているため、この活性酸素の影響を受けると老化が促進されます。水素サプリは活性酸素を無害な水に変えてくれるので、脳を酸化から守ってくれるのです。
オススメサプリの購入方法
上述しているサプリメントはすべて、アメリカのサプリメント販売サイトである「iHarb」(アイハーブ)を使っています。
英語で書かれているサイトなので、初めてアクセスした方は「怪しい」とか「詐欺サイト」などと感じることもあるかもしれません。
日本で様々なサプリメントが販売されているのに、わざわざアメリカのサプリメントをオススメするって、おかしいと思いますよね。
でも、これには理由があります。
この理由についてや、iHarbの安全性、購入方法などの詳しい方法については、ここでお話しすると長くなってしまうので、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にして下さい。
また、どうしても日本で販売されているサプリがいい!という方は、DHCのサプリで代用する方法もあります。詳しくは、DHCのサプリでうつは改善できる? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で解説していますので参考にしてみて下さい。
栄養療法を行う際の注意点
以上のサプリが、質的な栄養失調に陥っている方にオススメのサプリです。数が多いので、「どれを飲んで良いのか分からない!」というかたも多いですよね。
実際に栄養療法を始める前には、栄養の消化吸収を阻害する疾病にかかっていないかを専門の医療機関で検査して貰うことをオススメします。
栄養療法を始める前に、うつ症状が起こる他の疾病を疑う
栄養療法を始める前には、糖尿病や甲状腺障害などが起きていたり、ピロリ菌等に感染していたりしていないかをチェックする必要があります。これらの疾病があると、栄養が上手く吸収されなかったり、ホルモンバランスが乱れていたりするので、うつ症状が現れることが分かっています。
何らかの疾病がある場合は、飲んではいけないサプリや服薬している薬との関係もありますので、栄養療法を始める前に、まずは病院で検査してもらうか、主治医に相談してから行って下さい。
また、鉄分やビタミンAなど、足りているにもかかわらず毎日大量に摂取すると、過剰摂取によって肝機能障害を起こす可能性があります。これらの栄養が足りているのか足りていないのかは、血液検査をしてみなければ分かりません。
各個人に必要な栄養素については、オーソモレキュラー療法では、まず始めに血液検査をし、病気の状態や栄養状態を数値化します。この数値を元に栄養指導を行うので、必要な栄養素の判断と、不必要な栄養素の判断が出来るので、ピンポイントで必要なサプリを飲む事が出来ます。
もし、血液検査をしても栄養状態に問題が無ければ、それは心理的なうつ病としてメンタルケア専門の機関にかかるべきです。
例えば、性的被害を受けたり、いじめなどで死ぬほど怖い体験をした場合に起こる心的外傷後ストレス障害(PTSD、トラウマ)などからくるうつ症状については、適切なメンタルケアが必要になります。
ですので、まずは疾患やトラウマが無いかを確認し、無ければ栄養療法を始めましょう。
食生活の改善も同時に行う
最近では、鉄不足やタンパク質不足がうつの原因とされ、多くの本が出版されるようになってきました。そこで誤解されがちなのが、「サプリメントを飲めばうつが治る」と勘違いしてしまうことです。
この記事で紹介しているサプリメントも含め、食事内容の改善を含めて行わないと真の健康は得られません。
うつぬきやの管理人がたどり着いたうつ病の原因は、「うつ病は質的な栄養失調による生活習慣病である」という事からも、生活習慣を変えていかなければ、いくらサプリメントを摂取しても健康にはなりません。
サプリメントでの栄養補給に加え、以下の食事内容にも気を配るようにしましょう。
- 肉、魚、卵、大豆などのタンパク質を多くとる。
- 精製された砂糖や白米、小麦などを避ける。
- バター、生クリーム、MCTオイルなどの脂肪酸を多く取る。
- マーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸は避ける。
- サラダ油、ベニバナ油、コーン油、大豆油なども避ける。
- 小麦胚芽など全粒粉の小麦、玄米はOK
これらの食生活に切り替え、足りない栄養はサプリメントで補うように工夫します。食事から栄養が取れるようになれば、多くの種類のサプリメントを飲む必要がなくなる分、体と家計にも負担を減らすことが出来ます。
何をどのくらい飲めば良いの?
上述したサプリメントで「なにをどのくらい飲んだら良いのか?」については、食生活や代謝などの個人差が大きいので一概には言えません。
健康を維持するために必要な栄養素は、性別、年齢、体格、生活習慣、運動量など、様々な要素が複雑に絡み合って、その人に必要な栄養素がそれぞれ決まってきます。
ですので、プロテインは○g、ビタミンBは○mgなどとハッキリした数値をお伝えできないのが歯がゆいところです。
また、プロテインはチョコ味が良いとかバニラ味が良いとか、人工甘味料が入っていない物がいいなど、個人的な嗜好も関わってきますので、紹介している物はあくまで一例です。
例えば、うつぬきやの管理人は、人工甘味料入りのプロテインを飲むとお腹がゆるくなってしまうので飲めませんし、だからといって無味無臭のプロテインはえずいてしまって飲めません。
そこで、普段の食事から肉や魚、卵などのタンパク質を多く取るようにし、アミノ酸サプリを追加して飲んでいます。
プロテインを3回摂取するよりもタンパク質摂取量は少ないかもしれませんが、重要なのは無理なく続けて健康を維持することです。無理矢理プロテインを飲む事ではありません。
このような個人的な味の嗜好や、製法、原材料による合う合わない、栄養素の活性型サプリを選択すべきか、医療用サプリを選択すべきかなどがあるので、このページで紹介したサプリ以外にも選択肢が多くあります。これらを考慮するとトンデモナイ組み合わせになってしまいます。
ですので、ご自身にあったサプリメントを知りたい場合は、オーソモレキュラー療法を行っている病院で血液検査をするか、オーソモレキュラー療法の栄養アドバイザーの資格を持ったうつぬきやのカウンセリングをご利用下さい。
うつ病の改善には何のサプリメント飲むといい? まとめ!
以上がうつ病の改善によく用いられるサプリメントでした。
サプリの種類が多く、内容も複雑なので何を飲めば良いのか、余計に混乱してしまった方も多いかもしれません。
基本的には食生活の改善を主軸とし、足りない分をサプリメントで補います。ほとんどの方が足りていないと思われる栄養素としては、タンパク質とビタミン、ミネラルですので、プロテインとマルチビタミン、マルチミネラルを基本に、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンDなどを必要に応じて追加していきます。
女性の場合なら鉄分を積極的に摂取しましょう。
DHA・EPAも脳に必要な栄養素ですので、多く摂取するように心がけ、発酵食品などで腸活も同時に行います。
このようなやり方は、「足りていないだろう」という予測の元でサプリメントを摂取するので、実際に正しいのかどうかは分かりません。
ご自身に必要な栄養素をピンポイントで知りたい場合は、オーソモレキュラー療法を行っている病院で血液検査をすると、具体的な数値として教えてくれます。
血液検査は、健康保険適用外の項目を大量に検査するので、およそ7万円〜10万円ほどかかります。この血液検査が高額で受けられないという方も多いと思います。
そこで、うつぬきやでは、普段の食生活と疾患や不調をカウンセリングし、「不足しているであろう栄養素」を予測して必要な栄養素の情報をアドバイスすることが可能です。
血液検査ほど正確ではありませんが、日頃の食生活の内容を聞けば、どの栄養素が足りないとか、気をつけるべき食生活が分かります。
具体的にどの栄養素を摂取すれば良いのか分からない方は、うつぬきやのカウンセリングをご利用下さい。