タウリンは、疲労回復効果があるとして、ドリンク剤などに配合されていますよね。近年の研究結果では、タウリンが抑制系の脳の神経伝達物質として機能していることがわかり、うつ病にも良いのではないかと言われるようになってきました。
タウリンを摂取することで、脳の興奮系神経細胞を抑制し、リラックスする作用があると言われています。
もしこれが本当なら、抗うつ剤や安定剤を飲まなくても、タウリンのサプリを飲めば脳の神経伝達物質の分泌不足が整うはずですよね。果たして、タウリンを摂取すればうつ症状は改善するのでしょうか。
今回は、タウリンという栄養素についてと、タウリンとうつの関係、オススメのサプリについて詳しく解説します。
目次
タウリンとは?
タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。水溶性なので、汁ごととれる鍋物やスープ等に利用すると有効に摂取することができます。
含硫アミノ酸様化合物と聞くとアミノ酸と思われがちですが、タウリンはカルボキシル基を持っていないため、本来はアミノ酸ではありません。またタンパク質を構成することもありません。
体内ではメチオニンやシステインから合成され、抑制性の神経伝達物質として使われることが分かっています。
最近は栄養ドリンクの主成分として使用されていますが、これは肝臓の働きを活発にする機能があるからです。その他、タウリンには次のような働きがあります。
【タウリンの働き】
- 血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす。
- 血圧を正しく保ち、高い血圧を下げる。
- 肝臓の解毒能力を強化。アルコール障害にも効果的。
- インスリン分泌を促進し糖尿病の予防・治療に有効。
- 視力の衰えを防ぎ、新生児の脳や網膜の発育を助ける。
タウリンとうつの関係とは?
タウリンは、抑制系の脳の神経伝達物質として機能するので、リラックス作用や安眠効果があるなどと言われていることがあります。このようなことから「うつ病に良い」などと紹介されている場合もあります。
脳の神経伝達物質は「セロトニン」や「ドーパミン」「ノルアドレナリン」などが有名ですが、タウリンが脳の神経伝達物質として働くなんてにわかには信じられませんよね。タウリンが脳の神経伝達物質として機能するというのは、様々な研究機関が発表しています。
以下は、KAKENによるタウリンの研究結果です。
黒質神経細胞において抑制性神経伝達物質受容体とモノアミン受容体間の細胞内クロストークを以下の手法を用いて検討した。ラットを麻酔下において断頭部、黒質を含む400ミクロンの脳薄切片を作製した。酵素処理後、黒質から神経細胞を急性単離し、ニスタチンを用いた穿孔パッチクランプ法を適用し、抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)およびタウリン応答に対するモノアミンの修飾作用を検討した。ドーパミンはGABA応答を抑制した。タウリンはグリシン受容体に作用して、細胞膜のクロールイオンの透過性を増強することにより黒質神経細胞の興奮性を抑制することが判明した。ノルアドレナリンはタウリン応答を増強した。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07670047/
このように、タウリンは、確かに抑制系の神経伝達物質として機能することが分かっています。
また、ジョーン・マシューズ・ラーソン著「うつ もう一つの解決法」 には、躁うつ病や双極性障害にはタウリンが有効と解説していたり、Medical Tribuneでは、「タウリン」が統合失調症の初期症状を軽減するという研究結果を発表しています。
うつ症状も有意に改善
幻覚や妄想、まとまりのない会話といった精神病症状が初めて発現するFEPは、統合失調症の早期治療において重要な病期とされている。O’Donnell氏らは今回、低用量の抗精神病薬による治療を受けているFEP患者86例(18~25歳)を対象とした二重盲検プラセボ対照RCTにおいて、心血管保護作用だけでなく抑制性神経伝達物質として働き、神経保護作用も有することが報告されているタウリンのサプリメントの効果について検証した。
同試験では、47例にタウリンのサプリメント4gを1日1回投与し、39例に同用量のプラセボを投与した。投与期間は12週間だった。 その結果、プラセボ群に比べタウリン群では12週時点のBPRSの総スコアおよび精神病領域のスコアが有意に改善した(それぞれP=0.004、P=0.026)。また、統合失調症用うつ評価尺度(CDSS)のスコアも有意に改善した(P=0.047)。さらに、タウリンの安全性と忍容性も確認された。 ただ、認知機能については両群間に有意差は認められなかった。
同氏らは「今回の試験では、タウリン補充による認知機能の改善は認められなかったが、FEPの主な症状やうつ症状の改善が認められた。今後、より大規模なRCTで早期精神病におけるタウリンの有効性について検討する必要がある」としている。
このように、タウリンが脳の神経伝達物質として機能し、双極性障害や躁うつ病、統合失調症。うつ病が有意に改善したという研究結果が出ています。
ただ、この研究結果については不確かな部分も多く、一方では摂取したタウリンが脳に取り込まれて影響を与えることはないという研究結果もあります。
以下は、静岡県立大学食品栄養科学部からの引用です。
タウリンは抑制性の神経伝達物質として作用している。タウリンは神経細胞やシナプスの膜を通るカルシウムイオンを調節し、過剰時に引き起こされる神経興奮状態を鎮める働きをする。
一般に、脳において重要な生理機能を有する成分は、脳内で作られており、食事から供給された場合、そのまま脳に取り込まれることはない。仮に取り込まれたとしたら、脳は、パニック状態に陥る。
それでは、タウリンは、脳に届くのか?これまでの研究結果では、摂取されたタウリンが、積極的に脳内に取り込まれることはなさそう。ただし、タウリンが全く脳に取り込まれないのかについては、厳密には分かっておらず、必要に応じて少しは入っていくのかもしれない。
http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine09.html
このように、血液中のタウリンが脳に取り込まれるか否かは厳密には分かっていないものの、脳に影響を与えるほど取り込まれていないことは確かです。
これについては、脳には血液脳関門と呼ばれるフィルターが防御しているので、脳に影響を与える物質は、脳に取り込まれないようになっています。これは、同じ抑制系の神経伝達物質として機能しているGABAにも言えます。
もし、これらの物質が脳に取り込まれてしまったら、心拍数や汗、体温、意識などの機能に問題が生じ、最悪の場合は死に至るかもしれないからです。これを避けるために、脳に必要な神経伝達物質は脳で作ります。恐らく、タウリンも脳内で必要に応じて合成されている可能性が高いと言えるでしょう。
ですので、タウリンのサプリメント摂取効果については未だ謎が多く、情報も足りていません。どのように脳に作用しているのかは、今後の研究結果に期待しましょう。
うつぬきやの管理人もタウリンのサプリメントを飲んでいますが、これといってリラックス作用や安眠効果を感じたことはありません。
それでも、タウリンには目や肝臓の修復作用がありますので、有益な栄養素である事は間違いありません。高容量のタウリンをサプリメントで摂取しても特に副作用もないようですので、うつ症状や躁うつ病、双極性障害や統合失調症で悩んでいる方は、一日4mgの摂取を試してみても良いかもしれません。
ここまではタウリンとうつの関係について解説してきましたが、うつの原因は他にもあります。分子整合栄養医学の観点では、うつ病の改善には脳の神経伝達物質の材料となるアミノ酸をまんべんなく摂取する事が重要だと考えています。
うつには脳の神経伝達物質の材料であるアミノ酸が重要!
うつ症状がある人は、脳の神経伝達物質である「セロトニン」の分泌量が減っているのが原因とよく言われていますよね。
脳の神経伝達物質は、セロトニン以外にも、やる気をだすドーパミンやノルアドレナリン、GABAなどもあります。うつ症状は、セロトニンに限らず、これら脳の神経伝達物質の分泌量が低下したりバランスが崩れたりすることで起こります。
ですので、タウリンをサプリメントで摂取するのに加え、脳の神経伝達物質の材料となるアミノ酸をまんべんなく摂取する方が効果的です。
この理由について、脳の神経伝達物質の材料である、「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」から、どのようにセロトニンやGABAへ合成されるのか、その過程を解説します。
まず、脳の神経伝達物質の材料であるアミノ酸は、タンパク質を分解したものです。タンパク質を摂取すると、胃酸によって様々なアミノ酸に分解されますが、このうち脳の神経伝達物質の材料になるのは「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」になります。
このアミノ酸は、ビタミンやミネラルを元に、神経伝達物質である「ドーパミン」や「セロトニン」、「GABA」に合成され、消費されていきます。
ここで注意して頂きたいのは、どれもアミノ酸を元に、ビタミンとミネラルを利用して神経伝達物質に合成しているという点です。
うつ病の原因は、「セロトニンの分泌量低下」と言われていますが、この原因はセロトニンの材料となるトリプトファンと、合成に必要なビタミン、ミネラルが不足してしまっていることで起こります。
例えば、表右にある「L-トリプトファン」から「セロトニン」に合成される過程を見てみましょう。「Lトリプトファン」から、「5-HTP」に合成するには、補酵素として葉酸とナイアシン、そして鉄が必要です。
同じく「5-HTP」から「セロトニン」に合成するには、ビタミンB6が必要になります。このように、脳の神経伝達物質は、材料となるアミノ酸に加え、ビタミンとミネラルの力を借りて初めて合成することが出来るのです。
うつ症状の改善には、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質(アミノ酸)の摂取と、十分なビタミン、ミネラルも同時に摂取するようにしましょう。
うつぬきやがオススメするサプリは?
ここまで、タウリンは肝臓や網膜に働きかけ、修復作用がある事、タウリンは脳の神経伝達物質として機能していること、うつ症状の改善には脳の神経伝達物質の材料であるアミノ酸の摂取が重要な事を解説してきました。
タウリンのサプリメントは、うつや躁鬱、統合失調症の改善に役立つ研究結果が発表されており、さらに肝臓や網膜の修復作用があるので、積極的に摂取しても良いかと思います。
タウリンのサプリメントは日本国内での販売が規制されているので、入手するにはアメリカから個人輸入するしかありません。うつぬきやでは、アメリカのサプリ販売サイトであるiHarbで販売されているものをオススメしています。
うつぬきやではiHarbのサプリをオススメしています!
うつぬきやではアメリカのサプリ販売サイトであるiHarb(アイハーブ)をオススメしています。
英語で書かれているサイトなので、初めてアクセスした方は「怪しい」とか「詐欺サイト」などと感じることもあるかもしれません。
日本で様々なサプリメントが販売されているのに、わざわざアメリカのサプリメントをオススメするって、おかしいと思いますよね。
でも、これには理由があります。
この理由についてや、iHarbの安全性、購入方法などの詳しい方法については、ここでお話しすると長くなってしまうので、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にして下さい。
また、どうしても日本で販売されているサプリがいい!という方は、DHCのサプリで代用する方法もあります。詳しくは、DHCのサプリでうつは改善できる? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で解説していますので参考にしてみて下さい。
また、タウリン以外にも、うつ症状の改善には脳の神経伝達物質の材料をまんべんなく摂取しましょう。
脳の神経伝達物質の材料としては、タンパク質を摂取するか、「プロテイン」を飲むのがオススメです。とは言っても、うつ症状で苦しんでいるときに、肉や魚などを料理して食べたり、プロテインを飲んだりするのは難しいという方も多いと思います。
ですので、うつぬきやではアミノ酸をバランス良く配合したサプリをオススメします。
アミノ酸は、上述したようにタンパク質を分解して出来た物です。本来であれば、摂取したタンパク質を、ビタミンやミネラルで分解して吸収しますが、アミノ酸を摂取すればこれらの過程をすっ飛ばして吸収することが可能です。
ですので、トリプトファンやシステインなどのアミノ酸をバラバラに摂取するよりも、バランス良く配合されているサプリメントを摂取すれば、まんべんなく脳の神経伝達物質の材料になるのでオススメです。
ビタミンとミネラルも同時に摂取しよう
上述したように、アミノ酸の有効活用には、ビタミンB群やミネラル等が欠かせません。
ビタミンB群とはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。日本ではビタミンB群と呼ばれていますが、海外ではビタミンB COMPLEX(複合体)と呼ばれています。
これらは単独では作用せず、複合で作用するため、全てのビタミンB群をまんべんなく摂取する必要があります。
ビタミンやミネラルは、タンパク質の分解とアミノ酸の組み替えに重要な補酵素として働くので、これらの栄養素を補給しないままアミノ酸だけを大量にとっても、有効利用出来ずに排泄されてしまいます。
ですので、アミノ酸をサプリで摂取するときは、マルチビタミンとミネラルのサプリに加え、不足しがちなビタミンB群を多めに摂取するようにしましょう。
管理人が飲んでいるオススメビタミン・ミネラルサプリは以下で購入することが出来ます。
タウリンのサプリを飲んだらうつ症状は改善する? タウリンとうつの関係を分子整合栄養医学の観点から徹底解説!まとめ
以上が、タウリンについてと、タウリンとうつの関係、オススメのサプリメントでした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- タウリンは、イカやタコ、貝類などに多く含まれている
- 肝臓の機能を強化したり、視力の衰えを防ぐ効果がある
- タウリンは、抑制系の神経伝達物質として働くことが研究結果で分かっている
- タウリンを摂取しても、それが直接脳に取り込まれているかは未知数
- うつ症状には、脳の神経伝達物質の材料となるタンパク質とビタミン、ミネラルが重要
- アミノ酸バランスブレンドなら、脳の神経伝達物質の材料になるアミノ酸がバランス良く配合されている。
- アミノ酸を摂取するときは、補酵素としてビタミンやミネラルも同時に補給しよう
こんな感じですね。
タウリンはうつ病に効くとして紹介されている記事が多いですが、うつぬきやの管理人は高容量のタウリンを飲まなくてもうつヌケする事が出来ました。
初めはアミノ酸のサプリとビタミン、ミネラルに加え、卵や肉、魚などのタンパク質を多く摂取するように心がけました。また、冬期うつの原因と言われているビタミンDなども積極的に摂取する事で、見事うつヌケしています。
このように、タウリンを摂取しなくてもうつ症状は良くなります。また、うつの原因はこれ以外にも他にたくさんあります。例えば、鉄不足や悪い脂の取り過ぎでもうつ症状が現れる事があります。
このようなうつの原因や詳しいうつヌケの仕方については、下記の「うつぬき完全攻略マニュアル」で全てを解説しています。
今なら無料でプレゼントしていますので、是非参考にして下さい。