チロシンは、脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの材料になるとして、主にやる気アップを目的としたサプリメントなどが販売されていますよね。
このチロシンを摂取することで、興奮系の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの分泌が促され、やる気をアップしてくれる作用があるといわれています。
もしこれが本当なら、抗うつ剤や安定剤を飲まなくても、チロシンのサプリを飲めばやる気がグングン湧いてくるはずですよね。果たして、チロシンを摂取すればうつ症状は改善するのでしょうか。
今回は、チロシンという栄養素についてと、チロシンとうつの関係、オススメのサプリについて詳しく解説します。
目次
チロシンとは?
チロシンは、フェニルアラニンというアミノ酸を元に合成された必須アミノ酸の1つです。チロシンは、脳内神経伝達物質ドーパミンやノルアドレナリン、黒色色素メラニンの材料になります。
ほかにも、合成甘味料アスパルテームの原料ともなるアミノ酸です。
チロシンを多く含む食品としては、タケノコやチーズ、大豆、鶏肉、魚などがあります。タケノコやチーズの表面に白い粉が吹き出ていることがありますが、あれがチロシンです。
チロシンを摂取すると、ノルアドレナリンの材料となるため、血圧の上昇や鎮痛作用があるとされています。また、チロシンはメラニンの材料になるので、過剰に摂取すると肌のシミやそばかすを発生させやすくする可能性があります。
チロシンとうつの関係とは?
チロシンは、やる気を出す脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの材料になるので、「うつ病に良い」と言われていることがあります。
確かに、脳の神経伝達物質の分泌が増えれば、やる気に満ちあふれてうつ症状がよくなるかもしれません。もしそうであれば、抗うつ剤や安定剤を飲まなくても、チロシンさえ飲めばうつ症状が改善するはずですよね。
しかし、実際にうつ病の方がチロシンを摂取してうつ症状が改善したという報告は、ネットで検索してみてもあまり引っかかりません。この理由については、チロシン単体の摂取ではほとんど気分に影響を与えないことが、Wikipediaには書かれています。
チロシンは、大量に飲用した場合は約2時間後に血中チロシン濃度のピークに達し、7時間持続する。神経伝達物質の前駆物質であり、血漿中のノルアドレナリンやドパミンのレベルを増加させるが、気分に与える影響はほとんどない。冷水ストレスにさらしたラットの攻撃性を正常レベルにもどしたり、ヒトではストレス条件下の気分や認識作用の改善がみられた。睡眠不足状態で、覚醒3時間後の精神活動検査において持続時間が延長したという記録がある。成人におけるADHD(注意欠陥多動性障害)では、チロシン摂取により一時的に改善が見られる場合がある。チロシンには毒性がなく、有害事例の報告はない。1日に体重1kgあたり150mgを3か月間摂取しても、安全とされている。経口摂取の副作用としては吐き気、頭痛、疲労、胸焼け、関節痛など(これらは成人について。小児、妊婦についての安全性はまだ報告されていない。)。
チロシンは確かにドーパミンやノルアドレナリンの濃度を高めてくれますが、それが気分に影響を与える事はほとんどありません。と言うことは、チロシンのサプリメントが直接抗うつ作用や亢不安作用をもたらしてくれるわけではないのです。
これは、実際管理人の僕がチロシンのサプリメントを飲んでもほとんど気分に影響を感じないことから、チロシンの抗うつ効果は限定的と言ってもいいでしょう。チロシンは、この記事の書き始めに服用し、2時間以上経ちますが、やる気がみなぎってくる!なんて事はありません。
では、どうすればうつ症状を改善することが出来るのでしょうか?
分子整合栄養医学の観点では、うつ病の改善にはチロシンだけでなく、脳の神経伝達物質の材料となるアミノ酸をまんべんなく摂取する事が重要だと考えています。
うつにはチロシン以外のアミノ酸も重要!
うつ症状がある人は、やる気を出すドーパミンやノルアドレナリンの分泌以外にも、心を落ち着けてくれる「GABA」や、脳の神経伝達物質の分泌を安定させてくれる「セロトニン」の分泌量も低下しています。
「セロトニン」や「GABA」などの脳の神経伝達物質を作るには、「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸も欠かせません。
ですので、チロシン単体をサプリメントで摂取するのではなく、全てのアミノ酸をバランス良く配合したアミノ酸サプリで補給するのがオススメです。
この理由について、脳の神経伝達物質の材料である、「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」から、どのようにセロトニンやGABAへ合成されるのか、その過程を解説します。
まず、脳の神経伝達物質の材料であるアミノ酸は、タンパク質を分解したものです。タンパク質を摂取すると、胃酸によって様々なアミノ酸に分解されますが、このうち脳の神経伝達物質の材料になるのは「L-グルタミン」「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」になります。
このアミノ酸は、ビタミンやミネラルを元に、神経伝達物質である「ドーパミン」や「セロトニン」、「GABA」に合成され、消費されていきます。
ここで注意して頂きたいのは、どれもアミノ酸を元に、ビタミンとミネラルを利用して神経伝達物質に合成しているという点です。
うつ病の原因は、「セロトニンの分泌量低下」と言われていますが、この原因はセロトニンの材料となるトリプトファンと、合成に必要なビタミン、ミネラルが不足してしまっていることで起こります。
例えば、表右にある「L-トリプトファン」から「セロトニン」に合成される過程を見てみましょう。「Lトリプトファン」から、「5-HTP」に合成するには、補酵素として葉酸とナイアシン、そして鉄が必要です。
同じく「5-HTP」から「セロトニン」に合成するには、ビタミンB6が必要になります。このように、脳の神経伝達物質は、材料となるアミノ酸に加え、ビタミンとミネラルの力を借りて初めて合成することが出来るのです。
うつ症状の改善には、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質(アミノ酸)の摂取と、十分なビタミン、ミネラルも同時に摂取するようにしましょう。
うつぬきやがオススメするサプリは?
ここまで、チロシン興奮系の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの材料になること、チロシンの単体摂取では気分にほとんど影響を与えないことから、うつ症状にはチロシン以外のアミノ酸とビタミン、ミネラルが必要な事を解説してきました。
上述の通り、脳の神経伝達物質の材料は、タンパク質です。ですので、出来れば肉や魚、卵などのタンパク質を積極的に摂取するか、「プロテイン」を飲むのがオススメです。
ただ、うつ症状で苦しんでいるときに、肉や魚などを料理して食べたり、プロテインを飲んだりするのは難しいという方も多いと思います。
ですので、うつぬきやではアミノ酸をバランス良く配合したサプリをオススメします。
アミノ酸は、上述したようにタンパク質を分解して出来た物です。本来であれば、摂取したタンパク質を、ビタミンやミネラルで分解して吸収しますが、アミノ酸を摂取すればこれらの過程をすっ飛ばして吸収することが可能です。
ですので、チロシンなどのアミノ酸をバラバラに摂取するよりも、バランス良く配合されているサプリメントを摂取すれば、まんべんなく脳の神経伝達物質の材料になるのでオススメです。
うつぬきやではiHarbのサプリをオススメしています!
後で詳しくお話ししますが、うつぬきやではアメリカのサプリ販売サイトであるiHarb(アイハーブ)をオススメしています。
英語で書かれているサイトなので、初めてアクセスした方は「怪しい」とか「詐欺サイト」などと感じることもあるかもしれません。
日本で様々なサプリメントが販売されているのに、わざわざアメリカのサプリメントをオススメするって、おかしいと思いますよね。
でも、これには理由があります。
この理由についてや、iHarbの安全性、購入方法などの詳しい方法については、ここでお話しすると長くなってしまうので、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にして下さい。
また、どうしても日本で販売されているサプリがいい!という方は、DHCのサプリで代用する方法もあります。詳しくは、DHCのサプリでうつは改善できる? 分子栄養医学の観点からオススメのサプリを紹介!で解説していますので参考にしてみて下さい。
ビタミンとミネラルも同時に摂取しよう
上述したように、アミノ酸の有効活用には、ビタミンB群やミネラル等が欠かせません。
ビタミンB群とはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。日本ではビタミンB群と呼ばれていますが、海外ではビタミンB COMPLEX(複合体)と呼ばれています。
これらは単独では作用せず、複合で作用するため、全てのビタミンB群をまんべんなく摂取する必要があります。
ビタミンやミネラルは、タンパク質の分解とアミノ酸の組み替えに重要な補酵素として働くので、これらの栄養素を補給しないままアミノ酸だけを大量にとっても、有効利用出来ずに排泄されてしまいます。
ですので、アミノ酸をサプリで摂取するときは、マルチビタミンとミネラルのサプリに加え、不足しがちなビタミンB群を多めに摂取するようにしましょう。
管理人が飲んでいるオススメビタミン・ミネラルサプリは以下で購入することが出来ます。
チロシンのサプリを飲んだらうつは治る? チロシンとうつの関係を分子整合栄養医学の観点から徹底解説!まとめ
以上が、チロシンについてと、チロシンとうつの関係、オススメのサプリメントでした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- チロシンは、脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの材料になる
- チロシンは、タケノコやチーズ、大豆などに多く含まれている
- チロシンを摂取するとドーパミンやノルアドレナリンの濃度が上がることは事実
- チロシン単体摂取は、気分にほとんど影響を与えない
- うつ症状には、チロシン以外のアミノ酸も必要
- アミノ酸バランスブレンドなら、脳の神経伝達物質の材料になるアミノ酸がバランス良く配合されている。
- アミノ酸を摂取するときは、補酵素としてビタミンやミネラルも同時に補給しよう
こんな感じですね。
チロシンはうつ病に効くとして紹介されている記事が多いですが、うつぬきやの管理人はチロシンのサプリなんか飲まずにうつヌケしています。
初めはアミノ酸のサプリとビタミン、ミネラルに加え、卵や肉、魚などのタンパク質を多く摂取するように心がけました。また、冬期うつの原因と言われているビタミンDなども積極的に摂取する事で、見事うつヌケしています。
このように、うつの原因はチロシン不足に限らず他にもたくさんあります。例えば、鉄不足や悪い脂の取り過ぎでもうつ症状が現れる事があります。
このようなうつの原因や詳しいうつヌケの仕方については、下記の「うつぬき完全攻略マニュアル」で全てを解説しています。
今なら無料でプレゼントしていますので、是非参考にして下さい。