普段あまり意識されることが無い栄養素であるビタミンD。じつは、ビタミンDの不足がうつと非常に深い関係があることをご存じでしょうか?
現代人のおよそ40%がビタミンD不足と言われています。これは、紫外線対策や、ライフスタイルの変化などが主な原因です。ビタミンDが不足すると、「冬期うつ」になってしまうことから、最近ではビタミンDの重要性が指摘されるようになってきました。
それでも、専門家の間ではしばしば見逃されてしまうのがビタミンD不足によるうつです。
心療内科や精神科では、うつの原因として「ビタミンD不足」を調べることは殆どありません。あなたの症状を聞いて診断し、原因は睡眠不足、過労、ストレス、または老化だと判断されてしまうことも珍しくないのです。
もちろん、治療方法は抗うつ薬などの薬物治療になってしまいます。ビタミンDが処方されることはまずありません。
だからこそ、日頃からの自己防衛が重要になります。ビタミンD不足から来るうつを予防、改善するには、日頃から健康的な生活習慣と、十分な量のビタミンDの摂取が鍵と言えるでしょう。
今回は、ビタミンDについてと、ビタミンDとうつの関係性を分子整合栄養医学の観点から詳しく解説します。
こちらの記事は、次の動画でも解説しています。
https://youtu.be/NA5h-7EMgrI
目次
ビタミンDってなに?
ビタミンDとうつの関係をお話しする前に、ビタミンDについて知っておきましょう。
ビタミンDとは、脂溶性のビタミンの一種で、水に溶けにくく脂に溶けやすいという特徴があります。食品から摂取出来るビタミンDとしては、キノコ類に含まれる植物性ビタミンD2と、魚の内臓に多く含まれる動物性ビタミンD3があります。
ビタミンDの働きは、「骨を丈夫にする」働きと「免疫機能を調節する」働きがあります。「骨を丈夫にする」働きはとしては、体内でビタミンDが肝臓や腎臓で活性化されて、腸管からのカルシウムの吸収を促進します。これにより、血液中のカルシウムの濃度を高めて、破骨細胞の働きを抑制することで骨を丈夫にし、骨折を予防すると考えられています。
また、ビタミンDには、「免疫機能を調節する」働きもあります。体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進します。このため、かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与することが分かってきました。
その他、がんや高血圧など、さまざまな生活習慣病を予防する効果も期待されています。
このような作用があるビタミンDが不足すると、骨粗しょう症のリスクが高まったり、冬にインフルエンザに感染しやすくなるなど、様々な影響がある事が研究結果から分かってきました。
通常、ビタミンは体の中で作ることが出来ませんが、ビタミンDだけは日光に浴びることで体内で合成することが出来ます。健康的な生活をしていれば欠乏することがないビタミンDですが、現代の日本人の生活習慣では、ビタミンDが不足している可能性があります。
これの主な原因としては、日焼けの元である紫外線を気にするあまり、過度な日焼け対策によってビタミンDの合成が妨げられているからです。食事から摂取するビタミンDの量も、「魚離れ」によって年々減少しています。
おまけに、在宅ワークやオフィスワークなどの屋内の仕事や運動不足によって、太陽を浴びる機会が減っています。
このような生活スタイルの現代人は、総じてビタミンD不足であると言っていいでしょう。
では、ビタミンDの不足がうつとどのような関係があるのでしょうか? 分子整合栄養医学の観点からビタミンDとうつの関係を解説します。
ビタミンDとうつの関係とは?
うつの原因は色々とありますが、ここではビタミンDと関連のあるうつについてと、その原因を解説していきます。
まず、ビタミンDと関係しているうつ症状についてですが、大きく分けて「冬期うつ」と「リーキーガット症候群」があります。
冬期うつは、その名の通り冬にだけ発症するうつ病の事です。このような季節性のうつ病は季節性感情障害(SAD)などとも言われています。
冬期うつは、秋から冬にかけて症状が現れ、春先になると自然に回復していきます。成人前後から徐々に発症し、男性よりも女性に多くみられるという特徴があります。
症状としては、普通のうつ病と同じく、憂うつ感、いらいら感、不安感に苦しむ、何をするにも億劫(おっくう)で元気が出ないなどの症状に加え、過眠、過食(体重増加、炭水化物や甘い物を欲する傾向が強まる)などの症状が見られることです。
普通のうつと違い、季節の変動に左右されるので、医師やカウンセラーでも診断が難しい病気でもあります。
また、普通の人から見たら冬期うつの人は食べるか寝ているかしかしていないため、「怠け病」だとして理解されにくいというハンディがあります。
この冬期うつの原因として言われているのは、「日照不足によるセロトニン・メラトニンの合成不足」と「紫外線量減少によるビタミンD合成不足」があげられます。
冬は日照時間が短くなることや、日照時間が少ない地域に住んでいる人に多く発症することから、「日照量」が深く関係していると言われています。
この日照量の不足によって引き起こされるのが、紫外線量減少によるビタミンDの合成不足です。
日照不足によるビタミンD合成不足
冬期うつの原因は、「体内時計のセロトニンとメラトニンの分泌不足」と、「太陽光に含まれる紫外線量の減少によるビタミンD不足」があります。
ビタミンDは、これまでカルシウムや骨の代謝に不可欠な栄養素として知られていました。近年ではこれ以外にも多くの効用がある事が様々な研究によって明らかになっています。
その1つが、冬期うつなどの季節性情動障害です。これは、日照時間が少なくなる冬にうつ症状が増えてくることに関係しています。
ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で合成することが出来る栄養素です。しかし、冬は紫外線が強くないために、皮膚でビタミンDを合成できなくなります。日焼けサロンなどで紫外線を浴びるとうつ症状が治る人たちがいることが分かったため、冬期うつとビタミンDの関連が報告されるようになりました。
このように、冬期うつの原因は主に日照不足によるものです。太陽光は日焼けやガンの原因とされて避けられる傾向にありますが、目や皮膚に太陽光を浴びることは、うつの予防や改善に非常に重要な役割を持っているのです。
冬以外にも冬期うつの可能性が!
冬期うつは、男性よりも女性が多いという特徴があります。しかも、女性の場合は冬以外にも冬期うつを発症してしまう可能性があるのです。
それは、日焼け止めクリームやサンバイザーなどによる紫外線対策です。
上述したように、冬期うつの原因の1つにビタミンD不足があります。ビタミンDは日光に含まれる紫外線を浴びることで、皮膚から合成することが出来ますが、過度な日焼け対策をすることで皮膚に紫外線が届かなくなり、ビタミンDの合成が出来なくなってしまうのです。
冬期うつを予防、改善するには、適度な日焼け止め対策を心がけ、手の甲には日焼け止めクリームを塗らないなどの対策をしましょう。
また、家や建物に引きこもりがちな人も要注意です。
在宅ワークやオフィスワークなど、色々と事情があるとは思いますが、昼間はなるべくカーテンを開けて太陽光を浴びるようにしましょう。
他には昼夜逆転生活も、冬期うつの原因となり得ます。単純に、太陽が出ている昼間に寝ているので、日光を浴びることが出来ません。このような方達は、日光が出ていても直接浴びることが無いため、ビタミンDの合成が出来ないのです。
冬期うつを予防するためにも、適度な運動や日光を浴びるなどして規則正しい生活習慣を心がけるようにしましょう。
リーキーガット症候群
ビタミンDの不足によるうつ症状は、冬期うつ以外にもう一つ「リーキーガット症候群」があげられます。
リーキーガット症候群とは、腸の粘膜に穴が空いてしまい、異物(菌・ウイルス・たんぱく質)が血管内に漏れだす状態にある腸のことです。
これらの異物が血管内に入ってしまうと、体内で様々な炎症が起こり、消化不良やアレルギー疾患、ニキビやうつなどの症状が起こります。
「腸に穴が空いているだけでうつになるなんて信じられない」と思うかもしれませんが、リーキーガット症候群に関連のある主な症状を見ても、精神症状が現れることがしっかりと明記されています。
関連のある主な症状
消化器症状 | 消化不良、便秘、下痢、腹痛、吐き気、過敏性腸症候群、満腹感など |
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精神神経症状 | 不安神経症、頭痛、情緒不安定、うつ、頭が重い、集中力不足など |
皮膚症状 | 湿疹、にきび、アトピー性皮膚炎、ふけ、じんましん、肌荒れ、多汗など |
呼吸器系 | 鼻水、鼻づまり、慢性副鼻腔炎、ぜんそくなど |
泌尿生殖器系 | 頻尿、尿意切迫、夜尿症(小児)、月経前症候群、おりものなど |
筋骨格系 | 筋肉痛、関節痛、関節炎、関節リウマチなど |
その他 | 不整脈、慢性疲労、倦怠感、免疫力の低下、口内炎、むくみ、体重増加、生活習慣病、膠原病など |
上の表は、リーキーガット症候群と関連のある主な症状です。精神神経症状の中に、「うつ」としっかり書かれていますね。
リーキーガット症候群になってしまうと、なぜうつ症状が起きるのでしょうか。それは、本来吸収するはずだったタンパク質やビタミン、ミネラル等が消化不良によって吸収されずに体外へ流れ出てしまうからです。
うつの主な原因は、脳の神経伝達物質の材料であるタンパク質とビタミン、ミネラルが欠乏する「質的栄養失調」がほとんどです。
この質的栄養失調は、たいていの場合、白米やパン、うどんやラーメンなどの炭水化物と脂質に偏った食事をしている人に多いのですが、中にはしっかり食べているにも関わらず質的栄養失調になってしまう人がいます。その原因が、腸から栄養が漏れてしまう「リーキーガット症候群」なのです。
他にも、腸の健康状態は脳にも影響を与えます。
脳の神経伝達物質であるセロトニンは、脳内だけに存在していると思われがちですが、実は全身のセロトニンの90%が腸に存在し、腸のセロトニンの過不足が多くの胃腸症状と関係していることが知られるようになっています。
最近では、腸におけるセロトニンの合成状態が脳内セロトニン合成にも影響していることがわかり、腸内環境を整える重要性が理解されるようになってきました。
セロトニンは、うつ病の治療薬にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というセロトニンを増やす作用の薬がある事からも分かるように、セロトニンの不足がうつ症状に深く関わっていると言われています。
また、「脳腸相間」という言葉が浸透してきたように、腸と脳の調子が密接に影響し合う関係にあります。脳がストレスを感じるとお腹が痛くなったり、逆に腸内環境が悪化すると脳の調子も悪くなり精神症状が現れるといったように、腸と脳は相互に影響し合っています。
つまり、腸の状態が悪いと言うだけで脳にも悪影響があるのです。
さらに、あなたが普段食べているものが、脳にダメージを与えている可能性があります。特に気をつけるべきは、小麦に含まれるグルテンや、乳製品(チーズ、ヨーグルト)に含まれるカゼインです。
これらの物質は分解されにくい構造をしているため、消化されないまま小腸に到達し、残ってしまいます。健康な腸なら問題ありませんが、リーキーガット症候群などで腸の粘膜が弱かったり、腸内環境が悪かったりすると、これらが腸粘膜に入り込み、炎症を起こしてしまいます。
特に、カゼインを構成しているペプチドが分解されないまま体内に入ってしまうと、脳の中枢神経に麻薬同様の作用をもたらします。
これは、カゼイン由来のグリアジンのアミノ酸配列が「モルヒネ」にそっくりなことから、脳が誤認識をして脳の受容体にくっついてしまうのです。
すると、シナプスから出てくる正常な神経伝達物質の分泌を阻害するため、こころの安定に必要なセロトニンやドーパミン、GABAなどが出づらくなったり、過剰に分泌されてしまったりします。
この結果、イライラする、うつ症状が出る、眠気が起きる、ぼーっとするというような、心身に悪影響を与えるのです。
このように、リーキーガット症候群とうつには非常に深い関係があります。では、どのようにすればリーキーガット症候群を治すことが出来るのでしょうか。
分子整合栄養医学では、このリーキーガット症候群の改善に、ビタミンDが有効だと言われています。
ビタミンDはカルシウムや骨の代謝に不可欠な栄養素と考えられてきましたが、じつは腸の粘膜を強くしてくれる作用があることが、ここ最近の研究で分かってきました。
リーキーガット症候群の腸は、細胞同士の結合が緩くなってしまうことで栄養が漏れ出してしまいます。この細胞の結合をビタミンDが強くしてくれるのです。
特に、うつ症状がある人や、アレルギー、アトピーなどがある人はすでにリーキーガット症候群になっている確率が高いと言えます。
ですので、冬期うつに限らず、うつ症状がある人はビタミンDを摂取する事がオススメです。
オススメのビタミンDサプリ
ここまで、ビタミンDとうつの関係について解説してきました。普段あまり重要視されない栄養素ですが、うつと深い関係があることが分かって頂けたかと思います。
では、具体的にどうやってビタミンDを摂取したら良いのかについてですが、ビタミンDは、紫外線を浴びることで合成出来る栄養素です。
ですので、基本的には日光に浴びるなどしてビタミンDの合成を促すことが重要です。
ただ、それでも十分な量のビタミンDを生成することは難しく、食事やサプリメントで補ってあげる必要があります。
ビタミンDが多く含まれている物としては、魚の内臓です。サンマやイワシ、シシャモ、しらすなど、内臓ごと食べるのがオススメです。なるべく食べ物から摂取し、足りない分はサプリメントで補いましょう。
ビタミンDのサプリメントについては、うつぬきやではiHarbのサプリメントをオススメしています。
iHarbはアメリカのサプリ販売サイトですが、日本語や代引きに対応しているので安心して買い物をする事が出来ます。
サプリの品質や含有量、吸収率なども日本製よりアメリカのサプリのほうが進んでいますので、体の栄養を分子レベルで整えるなら、高品質なアメリカのサプリがオススメです。
iHarbが何故おすすめなのかや、具体的な購入方法などは、うつぬきサプリはどうやって買えばいい? iHarbの購入方法を徹底解説!で解説していますので参考にしてみて下さい。
ビタミンDのサプリはうつに効果ある? ビタミンDとうつの関係を分子整合栄養医学の観点から解説!
以上が、ビタミンDについてと、ビタミンDとうつの関係についてでした。
ここまでの流れをまとめると・・・
- ビタミンDは、太陽を浴びることで生成できる
- 冬期うつの主な原因は日照不足によるビタミンD生成不足
- 過度な日焼け対策が冬期うつの原因になる場合も
- 昼夜逆転、引きこもりがちな人は積極的に太陽光を浴びよう
- 冬期うつには、ビタミンDの補給が有効
- リーキーガット症候群は、うつの原因になる
- ビタミンDは腸の粘膜を強くしてくれる
という感じです。
ビタミンDについては、魚を内臓ごと食べることで補給することが出来ます。サプリメントだけに頼らず、普段の食事からも摂取するようにしましょう。
また、栄養だけ摂っていても日光を浴びたり運動したりしなければうつ症状はよくなりません。栄養補給と併せて規則正しい生活を心がけて下さい。
この他、うつの原因はビタミンD不足以外にも様々な原因があります。詳しくは、下記の「うつぬき完全攻略マニュアル」で詳しく解説しています。
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